『冬虫夏草』 梨木香歩著 新潮文庫
装画 神坂雪佳

綿貫征四郎が忠犬ゴローを探すために鈴鹿の山中を旅する冒険譚、
河童の少年や天狗、赤竜の化身、イワナの夫婦など、
さまざまな不思議な存在との出会いがあり、
人間と精霊たちが共に暮らす清らかな山で、
果たしてゴローに再会できるのか?
また、各章ごとに親しんだ植物が39種類も登場し、
どれも生薬であることに納得。
クスノキ、サナギタケ ヤマユリ クチナシ アケボノソウ
マツムシソウ サカキ アケビ ヒヨドリジョウゴ フシグロセンノウ
サギゴケ カキ セリ ビワ etc・・・・・
最終章でついにゴローの姿を見つける。
名前を呼ぶと草を掻き分け、全身で歓びを表現しながら疾走してくる姿に
「来い。来い、ゴロー。家へ帰るぞ~」
この場面は感動的で、安心感と共に思わず拍手を送った。
たわわな栗の実

ペチュニア
