最終戦は、TPC ソーグラス、ダイスヴァレーコースだ。
遼は、難コースを、どう攻めるか?
初日は、ワンアンダートした遼、何気ないプレーの中、緊張が走る。映像見る限り、遼が肉体的にも、精神的にも、大きく変化した姿が、プレーの随所にみられる。少年の面影は、すでにない。アスリートとして、鷹のように、獲物を狙うイーグルアイを持って、前方を追っている。
今の日本の選手には、見られないポスチャーである。実にたくましい。陰で、驚くべき努力をしているのだろう。とくに、背筋を鍛えた大きなフォローは、安定した高いボールを自由にしている。ただ、パットやアプローチに、右手が勝ちすぎている。左手に、少し、仕事をさせたほうがいい。距離感、方向性、スピン量など右手に任せると、たまに失敗が出る。アプローチは、左手でリードしてやらないと、距離感に違和感が出やすい。前より、パットが良くなっているのは、最後まで、左手をスクエアに持ちこたえている証拠だ。点と線をつねに一致させるためには、出来るだけ、左手は、スクエアにあるほうが、確率は、がぜん、よくなる。ベンクレンショーなどが、名人と言われるゆえんは、そのためだ。でも、遼のパットは、歯切れがいい。天性の勘が備わっているのだろう。パットは、生まれながらの才能が、まず、試されるゴルフの真髄の門である。
このファイナルで、上位につければ、来期のツアーのほとんどが、出場できる。腰痛を心配したが、トレニーングとストレッチで、治しているのだろう。強い背筋と腹筋が、腰痛を克服して、365日を楽にする能力を身につけたのであろう。いまのところ、遼の心配は、この点だけは、必要ないとみた。この25位以内の選手が、来期ツアーの覇者になれる好機は、すぐそこまで来ている。英樹を破ったマスターズ、ローアマ、カントレーも上位に食い込んだ。
下部ツアーとはいえ、マスターズチャンプのインメルマンなどが、バンスバックを狙って、持てる実力を惜しみなく、発揮しているのだから、日本ツアー選手で、ここの場所で戦えるプレヤーは、いない。残念ながら、下部ツアーでも、日本のツアーより、はるかに上位につけているツアーと考えたほうが、早い。遼は、大人の世界へ間違いなく脱皮した。365日、戦える戦士に変身したと記者は思う。
英樹と遼の活躍が、日本ツアーを世界的ツアーに押し上げる可能性がある。だから、この二人の活躍が、日本の情勢を変えうる重大な使命を帯びている。ジャンボ、青木、中島、180センチで当時では、大きい選手、しかし、今、USツアー、ヨーロッパを含め、180センチは、普通だ。遼が互角に戦うには、体力の充実が、未来を呼ぶ。その点、英樹は、恵まれた体格で、後は、技術だ。このところ、プレーが遅いと横尾要がクレームを付けた。もっとなことだ。要の方がただしい。英樹は、ニックプライスが期待する選手で、プレシデントカップに初出場する。丸山茂樹が、プレシデントカップで、強豪を次々と撃破したのが忘れられないが、10月4日から始まる2013年プレシデントカップの副キャップテンを務める。
マルの功績の結果である。英樹の活躍を世界が見詰めている。遼と英樹は、かけがえのない若手の選手だ。実力は、五分と思う。ゴルフ真髄は、USツアーでは、遼の方が先に行っている。転戦、転戦が、いかに楽ではないか、ツアー選手でないと分からない。記者は、ツアーに同行して、その厳しさに、顔色なしである。元気の時はいいが、風邪やおなかが、痛い時は、泣ける。車は、体を痛めつける乗り物だ。反吐もでる程嫌になる。遼は、先に一年、経験した転戦が、腰痛を生んだのだと思う。遼は、もみ殻から、脱皮したアスリートとして、来期の嵐の中に、身を置く、そして、すべてを体に刻んでいく。戦士として、誰にもおじけない態度は、人間の真髄そのものを変化させていく貴重な経験をして行くだろう。
全国消費者国民運動連絡協議会
全国ゴルフ会員の権利を守る弁護士団シンポジューム
国際ゴルフ記者クラブ協会
日本時事新聞社