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石川遼とUSツアー36 激戦と真髄 5  膨張した期待

2013-09-30 | 危うい日本のゴルフの世界

             とてつもないうれしいニュースだ

遼は、最終日、やはり、60台、ワンアンダー69でホールアウト、8位で終了。総合で13位で、堂々の凱旋である。
50名のうち、25名は、ツアーカードを取得していたプレヤーだから、実際は、25位までにシートを確保しないと、地獄を見る。最後の3メートルを入れきれずに、10センチ、ショートして、51位になったアンドレスゴンサレス選手もいる。地獄の門に入ったのだ。10センチで地獄を見るとは、まさに、過酷な容赦ない天命だ。

4日間、汗と涙の血戦を勝ち抜いた選手の合格者が、一堂に会し、カメラに納まっていた。久しぶりに、遼が、以前の遼に戻り、日焼けし笑顔で真ん中にいた。記者は、なぜか、うれし涙を流していた。日本のゴルフを5年背負ってきた少年は、逞しく、ひげも一人前に、立派に成長した選手になっていたからだ。外国特派員クラブのインタヴューで応えてくれた通り、日本を代表する期待が、同時に膨らむ。

TPCコースの4日間、過酷なゲームであっと思う。日本の今のプロで、4日間を60台で上がってくる選手はいないだろう。ツアーを半世紀、見てきた年老いた記者は、遼が、優勝こそ、なかったが、どれだけ進歩し、精神と技術が、あいまっているか、理解できる。パットは、命、天国と地獄を分ける神の領域だ。遼は、迷いなく、ラインをキャデイに頼ることなく、己を信じて、素直にストロークをしていった。自信が、揺らがない。あせらない。引きずらない。昔と違って、前向きな気持ちの中に、自分を忘れない。別な観点からみると、自分を演出できるようになったのだ。自制コントロールさせ出来れば、自分をロボット化できる才能が、鋭利なアスリートに変身させる。

自分を働かせる客観的思考が、身に付いたと思わせる。心理学者が、付いているかとさえ、思わせるゲーム運びだ。総合、13位は、合格点だ。今日のワンアンダーは8位、記者が出した注文が、2ストローク伸ばして、67、であれば、間違いなく3位に浮上していたのだ。でも、69は最大公約数の範囲内であろう。もう、雑念はないだろう。2014年に向かって、全力である。引き出しが増えた遼は、もっと、大きな引き出しが、必要となる。その技術のメニューには、スピン量の計算もあろう。

日本人が、かって、なしえなかった高い球を落下傘のように、グリーンにおりてくるボール、この技術は、まだ、日本人で、会得したものは、いない。それが、メジャーに手が届かない極秘の原理だ。遼の球は、高い。高く打てる。タイガーが、驚いたくらいのボールを打てる。何を意味するか、空中コントロールの球がはじけると言う醍醐味だ。この領域に達した日本人はいない。日本では必要ないスキルだからだ。アメリカやヨーロッパの一流どころは、ボールの操り方が、進んでいる。それは、フィールドが要求するテクニックである。日本では、必要ない。だから、アメリカやヨーロッパでは、通用しない。

勉強を怠らない藤田だって、アメリカの通用しないフィールドだから、解釈は、難しく、わが国の評論家と商売人では、その謎を解けないのだ。マスターズは、一年目よりも、二年目の方が、難しい。そのテクニックを駆使しようととして、火傷をするのだ。オリンピック、7年後、2020年、霞が舞台である。

遼も29歳、最高の年齢、英樹も一緒、世界をあっと言わせる両人であってもらいたい。女子では、森田と比嘉だろう。比嘉の方が、上に登りそうだ。岡本が、森田を海外に出さないのは、何か、理由があるのだろう。岡本の14勝の星は、日本の金字塔である。その岡本が、森田の欠如している技術をよく呑み込んでいるからと記者は考える。岡本は、記者が、常に、世界の綾子と讃える最高のプレヤーであるから、尊敬以上の感覚だ。残念ながら、遼には、これといった先生が、いない。記者は、ベンクレンショーに、教えを請うといいと思っている。ゴルフ博士であるからだ。遼さえ、よければ、いつでも、ベンに紹介しよう。ベンの先生は、ハニーぺニックである。普通のゴルファーを、全米オープン覇者にまで育てた名伯楽で、トムカイトの恩師である。ラブ三世の先生でもある。遼を抱え込めるコーチは、今、日本にはいない。

これは、余計なおせっかいだから、聞く耳を要求しているのではない。自分の理想は、己の意思で、求めるが筋と考えるからだ。USツアーは、飛距離を要求している。だから、マッスルの鍛錬は、欠かせまい。外部よりも、内臓を強化してこそ、365日を消化できる。アスリートの玄関をノックしたものは、宿命がある。旬な時は、一瞬であるという現実だ。世の中は、うつろである。勝てないアスリートは、ピエロで終わる。遼は、地獄からの脱出の急行列車に飛び乗った。さあー、期待の星の躍動が待ちどおしい。ファンは、行く川のように、変わるかも知れないが、本もののファンが、増えて行く現象は、世界が知っている。陽は、さらに昇り輝く!!!

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全国消費者国民運動連絡協議会

全国ゴルフ会員の権利を守る弁護士団シンポジューム

国際ゴルフ記者クラブ協会

日本時事新聞社

尊敬した山崎豊子姉上の逝去に、謹んで哀悼の意を表明する。

不条理を許さない不屈の最高の人間だった。合掌

 

コメント
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