遼の世界は、近い。
石川遼の躍動の年と銘をうって、コラムを創っている。なぜ、そう考えるか、というと、遼は、どうなるのか。という遼のファンの方々の熱い思いが、ずっしり、響いてくるからである。日本を名実ともに、代表する選手は、二人のみである。知れたことであるが、英樹と遼だけに絞られるのは、周知の事実だ。
遼は、２３歳になり、自分のゴルフ思考については、ツアーの顔として誰にも負けない精神状態である。遼は、点を絞ったゴルフ理論を展開してきたが、バッバは、あそこに打てばいいじゃないか、と具現性については、漠然とした中で、集中力を向けたドライヴァーの扱い方を示唆したのである。
それに比べて、遼は、あまりにも、完全主義のスパイラルに入り込んでいたのだと考えさせられる。アメリカツアーの中では、人気がなければ、自然と沈む、エネルギーも発散するのもやさしくはない。遼は、アメリカツアーでも、人気があるのだから、一度、優勝をすれば、花形選手になるのは、誰の目にもかなうのは、間違いない。
日本を離れ、世界の荒波の中を泳ぎ切るのは、非凡でなければ、地位を築けない。日本ツアーを優等生で卒業して、ＵＳ ツアーに参戦した田中秀道は、よく遼の比較対象になる。体が大きくなく、ＵＳツアーでは、小さい方に入るからだ。丸山と田中が、ＵＳツアーで違う点は、丸は、徹底的にアプローチが秀でていた点であり、楽観主義の丸の方が、アメリカに向いていたという些細な点である。秀道にも、アメリカでは、応援団がたくさんついていたのは、ご存知のはずだ。
小さい選手が、大きな選手をあっさり、退ける醍醐味が、アメリカの共感を呼んだのだ。遼も、丸山と田中の踏襲するプレヤーとして、それ以上のゴルフに到達するには、南アのゲーリープレヤーを見習う必要がある。１７０センチの体で、世界で１６２勝しているプレヤーは、今までにない近代的なトレーニングを一日、８時間、プログラムに入れた超人である。
遼が、今の体格を鋼のような肉体に改造した時に、何が、残るか。記者は、ゲイリ―のように、長い選手生活を続行できる選手になることが、約束されていると思う。
一服して、考えてごらん。生活過程がまったく違う環境で、選手生活を勤勉に続行するのは、至難と思わないか。遼は、よくやってるじゃないか。
記者は、長い経験から、遼の２７歳になった時のプレーを見たいと思っている。先述にも、複数回数の優勝する時代を迎えるとも書いた。１５歳で、プロの試合で勝利を挙げてから、１２年後となるわけだが、素晴らしいゴールデンタームを遼はわがものとできると信じている。批判は、あえて受ける。その批判が、大きな結果を生む源泉となるからだ。あえて、罵詈雑言，中傷誹謗も受けよう。それが、大きな肥やしにになるからだ。遼に時間と空間を与えてほしいものだ。
でも、ゴルフ界は、是は是、非は非だから、勝利のないものに、栄誉と名声を与えない。スポーツとは、その領域を超えない真実がある。
テニスの錦織が、今、注目の的で、舞台に上がれば、拍手喝采の歓迎を受けてやまないのも、スポーツの世界の典型的な真情である。
必ず、遼の線引きが始まる。記者は、そう確信している。
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