日本は、現代外交の英知、岡本行夫を失った。
日本ほど、外交下手な国家も世界を見渡しても少ないだろう。岡本は、外務省を気にすることなく日本外交の手腕を発揮し、現在ある日本の安定や平和に貢献してきた快男児であった。政治評論家で活躍中の宮家邦彦は、岡本は不世出の外交官で惜しい人物をなくしたと哀悼の辞を筆にした。我々、ジャーナリストから判断しても、自己保身ではなく、命を張って国家の安定のために日夜全力投球をした岡本を知っている。だから、実に不透明過ぎる巷雀ジャーナリストが、岡本に対して文句をつけた記事を読んだことがない。日本の総理大臣を務めた橋本、小泉の補佐官の岡本は、決して総理のイエスマンでなっかたからだ。今、まさに日本は、国難に対峙している。岡本の死が、いかに大きいか、日本の羅針盤で正論を張った岡本が居ないとなると、涕が枯れることでおさまる喪ではないのだ。岡本は、記者より10歳も若い外交官であったが、学ぶべきは彼からの至言であったと述懐する。正論を吐ける人材がまたひとり、遠くに逝ってしまった。宮家のアラビア語の先生は、岡本であったと吐露していたが、記者も数十年もアラビア語に接していても、英語ほどに追いつかない。岡本の逝去を哀悼するのと同時に、羅針盤をなくした日本外交に危惧を感じる今日である。
日本時事新聞社 元デスク
執筆同人 古賀剛大
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