▼蜜蜂と遠雷 (2019年作品)
原作:恩田陸
監督・脚本・編集:石川慶
▼ストーリー (公式HPより転載)
『私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか。』
3年に一度開催され、若手ピアニストの登竜門として注目される芳ヶ江国際ピアノコンクール。
かつて天才少女と言われ、その将来を嘱望されるも、7年前、母親の死をきっかけに表舞台から消えていた栄伝亜夜は、再起をかけ、自分の音を探しに、コンクールに挑む。
そしてそこで、3人のコンテスタントと出会う。岩手の楽器店で働くかたわら、夢を諦めず、“生活者の音楽”を掲げ、年齢制限ギリギリで最後のコンクールに挑むサラリーマン奏者、高島明石。幼少の頃、亜夜と共にピアノを学び、いまは名門ジュリアード音楽院に在学し、人気実力を兼ね備えた優勝大本命のマサル・カルロス・レヴィ・アナトール。
そして、今は亡き“ピアノの神様”の推薦状を持ち、突如として現れた謎の少年、風間塵。国際コンクールの熾烈な戦いを通し、ライバルたちと互いに刺激し合う中で、亜夜は、かつての自分の音楽と向き合うことになる。果たして亜夜は、まだ音楽の神様に愛されているのか。そして、最後に勝つのは誰か?
▼キャスト
松岡茉優 (栄伝亜夜)
松坂桃李 (高島明石)
森崎ウィン (マサル・カルロス・レヴィ・アナトール)
鈴鹿央士 (風間塵)
臼田あさ美 (高島満智子)
ブルゾンちえみ (仁科雅美)
福島リラ (ジェニファ・チャン)
眞島秀和 (ピアノ修理職人の男)
片桐はいり (コンクール会場のクローク係)
光石研 (菱沼忠明)
平田満 (田久保寛)
アンジェイ・ヒラ (ナサニエル・シルヴァーバーグ)
斉藤由貴 (嵯峨三枝子)
鹿賀丈史 (小野寺昌幸)
▼感想
「ストーリー」に書かれている、『最後に勝つのは誰か?』の結果に大満足の一作でした。
いや、実はコンクールの勝者が誰かは副次的なもので、舞台に立つまでに至る四者四様の過程とその描き方がすばらしいのです。
タイトルの「蜜蜂と遠雷」の明確な解釈は示されていません。
この映画版に関していえば、「遠雷」は『万雷の拍手』と『神の啓示』の2つの意味合いがあります。
いっぽう「蜜蜂」ですが、『音符、すなわち音楽』と『飛び立つ羽音』です。
…と、私は解釈することにします。