先日申し込んだシナリオ案件は見送りとなりました。
社名を伏せての応募だったのですが、以前関りのあった会社でした。
しかし、完成して納品されたゲームを明確な理由もなく発売中止にした
過去がありましたので、不採用となってむしろホッとしたというのが本音です。
● K-MACS
リクエストがありましたので、K-MACSについて解説と三面図の掲載をします。
ゲームのデザイン請負について契約した後、各国のガングリフォンが登場する旨を
私は告げられました。私は一機の新型ガングりフォンしか想定していなかったので、
急遽資料収集とデザインにかからねばなりませんでした。
当時の韓国兵器において、その国独特のデザインを見せていた物は少なく、唯一
国産戦車K-1にその片鱗が見られました。そこで、ベースとなった米国のM-1と
比較して、どのあたりが韓国的であるか抽出する所から始めるました。
K-1戦車は国情に合わせた軽量化のため、外観は微妙な面角度を持った複雑な
構成となっており、これをある程度取り入れた無骨な感じを出す事としました。
上図はゲームが完成した頃に自分で描いたポーズラフです。
ゲーム内の正面立ちポーズがあまりにカッコ悪く、どうすれば解決できるか探った物
ですが、既に後の祭りでありました。
● K-MACS 三面図
三面図自体が見つからず、図はパイロットのシルエット入りのものです。
内部は非常にタイトで、人間の比率が大きいように感じます。
● K-MACS ディテール
このように細かいディテールまで描きましたが、ゲーム製作チームからの
指摘で背面についてりテークが繰り返されることになりました。
以下、その顛末を追ってみましょう。
● 背部ディテール 初期
K-MACSのエンジン下面と弾装部分のディテールが不明なので
加筆したものです。
エンジンはヘリコプターの物を参考に冷却用空気の導入を考えまし
た。ディテールの不足を指摘されての処置ですが、韓国側スタッフ
は納得せず、背面の形状の変更をする事になります。
● 背面 改稿
いわゆるユーザー視点という後方斜め上から見たとき背面が
板状に見えるのを防ぐため二つに分けることになり、その場で
ラフを描きました。
しかし、向うの真意は弾装を二又にすることだったらしく、
(左のスケッチ)それにあわせて次のラフを描きます。
● 背面 改稿 2
内部の弾丸の配置は、上図左のように考えて、二又という要求を
クリアーしました。
排気管は元もままで良いと指摘され、弾装の角度は開いた物を
指定されました。
- ● 背面 改案決定稿
背中に突き出した推進剤タンクそのもののイメージに思えます。
私はそのことを告げましたが、それで良いと言われました。
当時、某ロボットアニメに初期案のような弾装を付けたデザインが
出現してしまい、遠まわしに変更を求められたのが真相ではないか
と私は見ています。
- 現実のゲームプレイでは多くの人がコクピット視点を選択し、この混乱は
後から考えれば無用に時間を取っただけのように感じます。
私は、このゲームのデバックに関わりましたが、通信対戦で1対1で接近戦を
行った場合、コクピット視点は背面に回りこまれた敵を視認できず、不利な事を
確認しています。その時点では、ユーザー視点が重要であると信じていましたが、
肝心の通信対戦がほとんど発生しなかったので、やはり背面を改正した目論みは
外れていたと言える、と今では考えています。
20式も楽しみにしています。
よろしくお願いします。
20式の設定掲載はこちらの都合で数日後になる予定です。
しばらくお待ちください。