先月、スカウトの件で面接を受けました。
某所にアニメ学校を作るので、講師を探しているとのスカウトでしたが、
学校の設立が遅れており、私は講師候補のまま保留となりました。
その後、一件の仕事先へ申し込んで見送られ、現在一件の返答待ち
の状態です。
●ガングリフォンアライドストライク AWGS開発史
今度の申し込み先がシナリオ関連と言う事で、過去に携わった
文芸設定を紹介します。
テクモからの要請で書かれた二枚分のAWGS開発史と銘打った
文章です。テクモ側に正式に渡されたものの、その後音沙汰がなく
未発表となっています。
今回の掲載は私の独断で行っておりますので、記事は予告なく削除
される場合があります。
これを元に文法の一部修正等をしてタイプし直しました。
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日本は十二式によって第二世代AWGSに先鞭をつけ、緒戦において華々
しい成功を収めた。これに刺激を受けた先進各国は、第二世代AWGSの
開発を急ぎ、十二式の優位性を崩そうとした。
十二式の生産開始直後からこの動きを感じていた日本は、来るべき第三
世代AWGS戦をにらみ、次世代AWGS開発計画を始動したのである。
第三世代AWGSとは、一言に言えば完全な空中機動性を持った、いわ
ば航空機としての特性を備えたAWGSである。この機体が部隊配備され
れば、地上から低空域に至る広い範囲での主導権を握ることが出来る、画
期的戦闘兵器の登場となるはずであった。
しかし、諸々の海外事情と国内の経済状態に鑑み、次期生産期
の採用は当分先送りとなる見通しであった。そこで、十二式で得
られた技術的優位を保つためのプロットタイプ機(後に二○式と
呼称)の開発が検討されたのである。この機体は強力なエンジン
の搭載により、十二式より多くの装備を可能とし、同時に空中機
動性の改善までも考えた野心的な設計であった。また、パイロッ
トの脱出を考えたエスケープモジュール等、生存性向上も考慮さ
れており、技術デモンストレーターとして多くの可能性も盛り込ま
れていたのである。
こうしたプロットタイプには良くありがちな重量増加や初期不良の解決に力が注がれる中、いきなり
増加試作30機の訓示が下った。これは明らかに海外へ派遣する実線テスト部隊の編成を意図したもの
であった。工廠側ではこの生産計画を実行に移すために、3つの計画を立案した。その第一はスペック
ダウンしながら実戦に耐える仕様として本機をまとめ直す案であったが、これは各所からの抵抗が大
きく、実行は困難と思われた。第二は、十二式をベースに二○式の技術を取り入れた新たな機体を作
り、二○式との混成部隊を作る案である。いわゆる、ハイ・ロー・ミックスによって数を揃えようと言
う案であるが、補給の複雑化や部隊の混乱が予想された。(この第二案は、後に意外な形で実現する事
になる)そして第三は、当面の問題解決にかつての提携相手、アメリカの助力を仰ぐことで、これが一番の良策と思われていた。
ところがこの時すでにアメリカは第三世代AWGの生産に向
けたプロジェクト、「ブラックフット」を始動していたのである。
アメリカはこれによって、軍事ばかりでなく兵器市場においても世
界に先行しようとしていたのだ。ブラックフット計画の成果、
XVW-2はすでにハンガー上にその姿を具現化していた。
ステルスデザインを全面的に採用し、強力な電子装備を持つXVW-2は、あらゆる敵をスタンドオフで撃破できるはずであったが、
エンジンの開発が難航し、現在は既存のジェットエンジンが装備され
ていた。
こうした事情から、日本の革新的AWGS・二○式へのアメリカからの技術供与は望み薄ということ
が判明した。工廠では第二案の設計と平行して二○式の開発を急いだが、元々精微なプロットタイプ
をそのまま生産に移すには、どうしても無理がともなったのである。
そうして時間だけが過ぎる中、韓国より新型AWGS開発への援助要請があったのである。
韓国は、国際平和維持軍に積極的に参加することで、先進国間での認知を受けようとしていた。そし
てそのための派遣軍に新型AWGSを装備することは、一級の存在価値をアピールするためにぜひとも
必要な事だったのである。
韓国は、最初アメリカに援助を打診したが、太平洋地域からの撤退を奨めていたアメリカは日本に
対してこの件を振ってきたのであった。
日本は、前述の理由からこれを断る手はなく、
二つ返事で聞きうける結果となった。二○式は
一部の装備と性能がスペックダウンされて量産
に移されたが、韓国軍の保有するAWGSの補
佐を受ける確約を得た前提があっての事だった。
このAWGSが、前述の十二式を元に二○式の
技術を加えて計画され、韓国工業界によって生産
されたKW-1bである。それは、日本の基本
設計に手を加え堅牢性と実戦での使いやすさ等を付加されて完成し、大量生産に
移されたのであった。
こうして元西側では三種類のAWGSが開発されたが、それらは「2.5世代」と呼ぶべきもので、
完全な空中機動性をある程度犠牲にした機体群であった。
この一方、兵器輸出に力を入れるロシアでは、独自のコンセプトと
して第三世代AWGSの開発に挑んでいた。十二式によって破壊され
た多くのAWGSの戦闘記録を分析し、地上から一定高度の領域を高
機動で運動することが第二世代AWGSの強みであるとことをつかん
でいた。ロシアの設計局では、旧来から研究されてきたWIG(地面
効果翼機)と強力なエンジンの組み合わせでそれが実現可能と結
論し、Mi-57(アリヨール)としてまとめ上げたのだのである。
十二式を凌駕することを目標に作られたMi-57は、スピードに
おいてはるかに勝り、武装が同等な上に価格は低くおさえられてい
た。そのため数多くが輸出されて、「2.5世代」の好敵手として各地に出現したのである。
これらのAWGS群を横目に、ドイツもヤークトパンツァーの次世代機を開発中と伝えられているが
未だその姿は発表されていない。またアメリカも、VW-1とXVW-2の中間にあたる機体を計画し
ていたようであるが、これもまだ未確認情報である。
以上
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当時のゲーム開発上の事情を反映したストーリー構成となっており、
従来のガングリフォン世界と矛盾する部分もあると思います。
当時の開発状況では、資料も乏しく人材も4~5人の体制で、過去の
スタッフによるバックアップなど望むべくもなく、この文章は一応承認
は受けていますが、私による独断と見ていただいて差し支えないと
思います。
追記 この記事は2004年12月3日に書かれました。
よろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
掲載は可能です。近日中にアップできると思いますのでお待ち下さい。