先日、帯広畜産大学で“馬文化”の講演を聞いてきた。講演は三部に分かれており、最初は「木曽馬の特性とこれからの在来馬保存」、二部は、「十勝の馬やばんばの利活用」、三部は、「帯広畜産大学の馬の利活用について」であった。
ご承知のように帯広畜産大学は理系の国立大学で、全国から学生が来ており、しかも約7割が女性である。50年前は、約1割の女性であったと記憶しているからこの変わりように驚いている。イギリスやイタリア首相選挙でも40代の女性が当選しており、世の中は女性が活躍している。
畜大は日本で一番大きいキャンパス(農場を含む)を持ち、学生はこの大学で誇りをもって学んでいるのが素晴らしい。このような学生が、日本の農畜産業などを支えていくのだと思うと、頼もしくもあり嬉しい。
講師の南保泰雄畜大学教授によれば、学生は必ず1回は馬に乗るようで、80年の歴史を持つ畜大馬術部は、国立大学としてここ連続4回も4位に入賞しているそうで流石である。
講演に関することであるが、地元の北海道や帯広のことが多かったが、知らないことが多くて大変勉強になった。例えば、世界で唯一開催されている帯広市の“ばん馬競走”であるが、半世紀前、十勝には農耕馬などとして約7千頭余りの「ばん馬」を飼っていたが、今は1千頭を割っているそうである。
馬は人間のために働き、日本のために軍馬として大陸に行ったことも忘れてはなるまい。馬は戦争に連れていかれる時、涙を流すそうである。
また、日本の馬について見れば、95%以上が北海道で生まれた馬であるが、地方競馬である道営競馬に関していえば、馬産地・日高にある門別競馬場でしか開催されていないのが現状である。なお、私の身内はサラブレッドで有名な日高地方に住んでいるが、今は“ニシパの恋人”のトマトジュースでも有名である。
「十勝の活性化を考える会」会員