風立ちぬ

　テラスのお花にタップリの水を撒き
オクラに葉水を与えると、テラスの床は隈なく水で満たされます

　水遣りを終え、窓越しにテラスの花達を眺める時間
爽やかな風が立ちます
子供の頃、濡れ縁に座ると私を包んでいたような風～

　足をぶらぶらさせて、目の前の池をみてた
池を覆うように、ぶどう棚が有って
葉が揺れると、池の面が煌めいた

　妹達のように、従兄にくっ付いて山に入るような子ではなかった
繰り返し繰り返し、数少ない本を読み返していた
「静かだから、誰もいなと思ってたのに～」
母は、よくそう言った

　窓に凭れて、あの時間の遠さを思う
自分しか覚えていない　自分　を私が見ている





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