コンクールに出る以上は何はともかく、代表金賞にならなければならない。A編成の部に出ると決めた以上、妥協はできない。そういうわけで、偶然いただいたコンクール会場でのホール練習も、後になってやりたくてもできないので、平日にもかかわらず決行した。
動きはまずまずだったが、音程、音色、響き、どれをとっても良い所なしで、演奏技術としては収穫ゼロの結果となってしまった・・・しいて言えば、ダメな箇所がハッキリわかったというのが収穫だろうか。
前回の体育館練習のほうがずっとマシだったのは、金曜日~土曜日の空白の半日の薬がもう切れてきたのか?それとも他に原因があるのだろうか?
まず平日なので、夕方までは授業がある。体育もあるし、疲れているのだろうか。こういう夜間ホール練習がある日はまず『無駄にしゃべらない・はしゃがない』の省エネ生活をする必要がある。一日静かにしていると、夜まで持続できるのである。生徒はその辺を甘く見ているのかもしれない。こちらも授業があるので、しゃべらないわけにはいかないが、できるだけ大声を出したり怒ったりしないようにする。(しかしこういう日に限って怒鳴ったりしかりつけなければならないことが起こる

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また、いつもと違う環境で緊張もするだろう。いくら練習やリハーサルでもステージで光を浴びるだけでも緊張するものだ。緊張という心理は何が原因かわからないのだが、人によってさまざまだろうし、すぐに頭がパニックになりやすい人は日ごろからその状況を想定した意識や行動をとる必要がある。これは訓練なのだと思う。
3年生は慣れたものだし、2年生もこういうときの為に3月の強行スケジュールや富士宮遠征を経験させてきた。しかし、大勢の一年生のことを気にしながら楽器の運搬や準備、舞台移動を考え、自分のことだけならまだしも一年生のオロオロした動きを怒鳴りつけながら準備をすることが結構なストレスなのだろう。
上級生ではまずないのだが、ここ数日になって一気に加速する練習の厳しさに精神的にも体力的にも適応できなくなるのもこの時期。
そう思って一年生を観察しているとあることに気づく。こういう状況でも元気に大きな声が出せる者、疲れていても黙って自分のできることを探す者、何をしたら良いのかわからず、とにかく先輩に怒鳴られながら右往左往する者、お腹が痛くて一日役に立たなくなってしまう者・・・
過酷な状況になると、その子の自力と底力と本音がハッキリと現れる。翌日に元気に(実際は誰でもキツイ)登校し、いつものようにクラスのことに協力し、授業も積極的に行う。もちろん宿題なんかもしっかりやっている。もうすでに『勝てる身体と負けない心』を身に付けつつある子もいるのだ。
楽器の演奏技術に必要かどうかは別にして、いつでも大きな声を出せて、自分から挨拶や返事ができ、駆け足で移動し、次の日も元気に活動できる子が『勝てる身体』なのだと思う。
勝てる身体と負けない心を育てよう!