健さんに続いて文太さんも

　私はやくざ映画が大好きです。学生時代はやくざ映画の三本立てをよく見に行ったものです。仁義なき戦いも映画館でもみましたし、シリーズもレンタルビデオ屋で借りてきて全部見ました。で、私が思うにやくざ映画にも二種類あると思います。ひとつは健さんや鶴田浩二の任侠映画。もうひとつが仁義なき戦いのような暴力団映画です。

　任侠映画はちょと時代や立場は異なりますが、水戸黄門や遠山の金さんと同じような感じです。理不尽な仕打ちを受けて我慢に我慢を重ねて、最後に殴り込んでズバッと一太刀。それを見てスカッとするのは印籠や桜吹雪の刺青が出てきて一件落着するのと相通ずるものがあります。ここで書いておかなければならないことは、健さんと池辺良が殴り込みに歩いていくシーン。「みちゆき」と言ったと思いますが印象にのこります。

　仁義なき戦いは深作監督の影響もあるのだと思いますが、ドキュメンタリータッチでカメラが縦横無尽に駆け回り、役者もチンピラの殺され役から準主役までノリノリです。暴力的な模写が多いですが、なぜか見終わった時に変に後を引く感じがないんですよね。それと映画館を出ると自分の歩き方が変わったような気がするんですわ。

　いずれにしても、お二人のご冥福をお祈りしたいと思います。