とやざき農園日誌

浅間山麓(長野県小諸市)で自然農法による農業を行っています
肥料や農薬を施さず自然の養分循環の中で野菜を育てています

新規畝立て

2021年09月22日 | 日記
冬採りホウレンソウの播種が終わったので、越冬物の作付けまでの空き期間を利用して新たな畝を整備します。昨日、整備予定区画の草を刈っておきました。最初に草を立鎌(草削り)で一部剥ぎ取り、土を垂直に掘って土壌断面を確認してみます。


この辺りの草地の土壌はおおよそ三層に分かれており、表層5㎝程度が腐朽層(朽ちた植物が積層したもの)。


その下に10㎝程度の厚みで、ミネラルが抜けた茶色い砂質層があります。


この層は、ブタクサなどの野草が養分根を発達させて、雨水によって溶け出たミネラルを吸い尽くしてしまうために、酸性の砂質土壌(黒ボク土)になっています。



ブタクサの直根(水分根)が突き刺さっている15㎝より深い層は粘土集積層(硬盤層)であり、幾分べたついた触感の土質ですが、炭酸カルシウムとカオリナイト(弱酸性粘土)の混合物なので、スメクタイト(中性粘土)のような強い粘り気はありません。


さて、このような草地に野菜の種を蒔いても育ちにくいのは、硬盤層までの距離が15㎝しかない為です。つまり、主根をせいぜい20㎝しか真っ直ぐ伸ばせないので、例えば、主根を30㎝以上伸ばす必要があるアブラナ科にとっては、根が詰まって病気に罹りやすい不向きな条件と言えます。そこで行われるのが畝立てであり、播種位置を高くすることで硬盤層までの距離を増やし、野菜がゆったりと主根を伸ばせる環境を整えます。

畝にする場所の草を剥ぎ取って


剥いだものを脇によけます。


真ん中を掘り下げて、左右に盛ります。


よけた草を溝に落とします。草が枯れて潰れたら、順次畝の上に載せていきます。
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