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着物 湯通しについて2

2013年09月05日 | 着物(湯通し・湯のし・新反洗い)

皆様こんにちは

山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。

湯通しや洗い張りに使用している水についてご説明申し上げます。

当店では、井戸水では無く札幌市の水道水を使用しています。

札幌市の水道水は豊平峡ダムの水で上流に町や工場がなく手付かずの天然のブナの森があります。

冬期間の積もった雪が春先より徐々に溶け出しますとても綺麗で美味しい水です。

札幌地方に三ヶ月間雨が降らなくても豊平川が枯れる事はないと聞いています。

水源の水が綺麗な為に消毒用の塩素使用も極めて少なく、硬度もあまり高くな洗濯や染物にく非常に適しています。

当店の近くには、日本清酒(銘柄 千歳鶴)の酒蔵が有り、豊平川の伏流水を使用しています。

当店では、さらに軟水器を使用して洗浄水に軟水を使用しています。

大正14年に発行された「京染の秘訣」高橋新六著にも、軟水の事が掲載されていました。

京染の秘訣 高橋新六著

軟水を使用すると洗濯に洗剤使用量を軽減する事が出来ますし

染物も洗い上がりも良くなります。

洗い張りはすべて手洗いなので、少しでも洗剤の性能を引き出し生地への負担を減らしています。

現在着物の洗いに使用している洗剤も洗浄力があり繊維の保護効果が強く、色泣きしづらい物を厳選使用しています。

 

湯通しや洗張りの乾燥時になぜ引っ張っているか、御説明申し上げます。

当店でも、以前は引っ張らずに縄に吊るして(ダラ掛け)乾燥していた時期もありました。

ダラ掛け

私の幼少期に洗い張り後に手回しの振り切り(脱水)機に掛け脱水していた記憶が有ります

脱水後に上記の写真の様に乾燥していました。両親より詳しい事は聞いていませんが

洗い張りをした織り物(特に大島紬)に小じわのクレームがあったと思います。

大島紬の小じわは中々伸びづらく

洗いの後の作業のたたみ上げの時や脱水時に小じわは発生します、

両親の色々と工夫して最初は洗った後の大島紬を脱水せずにだらがけしていました

古い家の時で寒い時期は早く乾燥する為茶の間のストーブの天井に干していた記憶が有ります。

大島紬から水がぽたぽたと滴り落ち茶の間が水浸しになった事もを懐かしい思い出です。

その後、親しい同業者下に相談して他の業者が下記の様に引張て乾燥している事を知り当店でも導入する様になりました。

引っ張って乾燥

両親も色々と試行錯誤していたと思います。

後にきもの雑誌や書物により産地でも引張て乾燥している事も知りました。

 

最近では、染物も湯通しを勧めています。

染物も産地で使用している仕上げ剤がとても水しみになりやすい物を使用している

きものがあります。また製造後時間がたっている物はたんすの匂いがするや

薄汚れがある物や製造時の水洗い不足や定着不足で染料が残っている為に

着用時や丸洗い時に染料がにじみ出しや他の物への移染防止の為です。

和裁教室に通っている生徒さんのグループにとても生地が柔らかく針の通りが良く

仕立てやすいと好評です。

 

次は当店に持ち込まれた実例です。

お客様が自分で洗濯機で湯通しした黄八丈です。

 

小じわだらけの黄八丈 Before

当店に持ち込まれた時は、上記の写真の様に小じわだらけでした。

自分アイロンで治そうとしましたが小じわが伸びずに湯のしをして欲しいとのご依頼でしたが、

湯のしの機械を掛けてもとても伸びる状態では有りませんでした。

私も頭を抱えていましたが、再湯通しをして、縮みや小じわ治しの薬剤を使用して

引っ張って乾燥して湯のし機を二度掛けて地の目を通し横の線の柄が曲がら無い様にしました結果

下記の様に復元する事が出来ました。

黄八丈 再湯通し after

小じわがきれいなに伸びとても良い仕上がりに自分も満足しました。

最近リサイクル店にて低価格できものをお買い求める方が増えいますが

低価格での購入の為に湯通しの料金が高いと感じて、ご自分でなさる方がいますが

小じわになりアイロンで伸ばそうとしても伸びず

また地の目が通らず仕立てさんもご苦労して仕立てても

下記の様に歪んだきものにしかなりません。

地の目が曲がった紬をそのまま仕立てたきもの

仕立て屋さんは地の目の通っていない歪んだ物を家庭用のアイロンでは

再生できませんし、曲がった状態でしか仕立てられない為に仕立て屋さんを

攻める事も出来ません。私たちプロの湯通し洗い張りを行っているものの責任です。

きちんと加工して仕立て屋さんにバトンタッチする事大切です。

特に大島紬や黄八丈の様な織り物は私たちプロでも小じわやスレなど起こしやすく

とても神経を使いますので、ぜひプロに任せて欲しいと思います。

当店の加工代金(平成25年9月5日現在)

紬他反物(三丈物)長さ13.5m位まで 2.000円+消費税

紬他反物(四丈物)長さ18.5m位まで 3.000円+消費税

紬他反物(AS及び疋物)長さ24m位  4.000円+消費税

 

紬他反物(三丈物)長さ13.5m位まで 3.000円+消費税

紬他反物(AS及び疋物)長さ24m位  6.000円+消費税

 

地方発送の場合は加工代金10.000円+消費税以上の場合は送料は無料です。

それ以外は、送料が掛かります。

仕上がり加工商品はヤマト運輸にてお送りします。

*注意 ヤマト運輸にてコレクト便(着払い)現金のみとなります。

 

紬の湯通しお困りな方は、

厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる

山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。

〒062-0902

札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号

電話011-811-6926 FAX011-811-7126

メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp

ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp

営業時間 平日(月曜~土曜) 午前8時~午後6時

休日 日曜 祝日

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