宮古on Web「宮古伝言板」後のコーケやんブログ

2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。 藤田幸右(ふじたこうすけ) 管理人

ニュースレターNo.21 (2)

2021年07月14日 | ニュースレター

前ページよりつづく

 

鍬ヶ崎の防潮堤を考える会

ニュースレター No.21

(おもて面=拡大文字

 

防潮堤無残!

防潮堤は防災ではなくなった。

防潮堤はあなたを助けない。

防潮堤はそこから逃げる一つの基準にすぎない。

有事には、距離的にも精神的にもここに近づいてはいけない。

そこから遠くに逃げるのだ。

 

写真撮影 K.古舘

 

 

      避難 防災 は三つの問題を鏡(かがみ)にして未来へ!

 

1、防潮堤、水門の問題

今、土木工学の専門家も、防潮堤工事に就ていた作業員も「もつのか?!」と言う。一つは津波の力に対してもつのか、津波の高さ圧力に耐え得るのかという構造上の強度の問題。もう一つはコンクリートや鉄筋や鋼管が30年、50年もつのかという素材の耐久性の問題。ほかいろいろ欠陥が露呈し始めた。震災から10年たって疑問が現実の問題になってきた…

 

2、石巻・大川小学校裁判の教訓

児童74人が犠牲になった宮城県石巻市立大川小の訴訟で、県と市に損害賠償を命じた仙台高等裁判所の判決が、2019年に被告の上告を最高裁が棄却することで確定した。前年の高裁の判決は、すでに大津波の予測があったにもかかわらず「想定外」等として避難場所や避難ルートの備えを怠った行政・教育機関に「懈怠(けたい)」という仏教用語を引用してまで激しく叱責、批判、判決したものであった。
防災準備は過去最大規模の津波が基準
判決の根拠は過去最大規模の津波を避難の基準にするべきだったとして具体的には宮城県沖地震の想定津波(2004年策定)とした。裁判は学校生徒の避難、保護を巡ってであったが、判決のポイントを詳細に見れば、超えて、防潮堤やハザードマップ、避難訓練等、津波防災の一般的な事前準備のあり方が厳しく示されている。これからの津波防災の基準津波は東日本大震災津波を含め、将来に予想される南海トラフ、千島海溝・日本海溝発生の最大クラス津波ということになる。

 

3、最大クラス津波シミュレーションの課題

内閣府の「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会」は2020.4.21 東北沿岸市町村の最大津波高、浸水予想図を公表した。最大の目玉は、満潮時発生、防潮堤など防災施設が破壊される、など最悪の状態でのシミュレーションであった。しかし津波高 29.7mモデルの宮古市長など岩手県沿岸の首長は内閣府にクレームを入れ、同年9.11 に岩手県分は「防潮堤が壊れない場合」のシミュレーションが追加して公表された。クレームは仮説の仮説という一層複雑なとつこを作ってしまった。防災については受け入れつつ「シミュレーションは仮説」という強い批判力を持って個人も自治体も自分の考えを進めたい。モデルや災害は刻一刻と変わっていくからだ。

宮古市のハザードマップ

⚫︎「暫定版ハザードマップ」(写真)配布(2021.1~2月)
⚫︎  岩手県が津波浸水想定を公表(2021.8月頃)

⚫︎「宮古市総合ハザードマップ2022」作成配布(2021年度中)

ー<おもて面>記事終了ー

 

 

 

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