白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

映画『Shift』

2007-06-03 03:53:05 | その他
夫の同僚の息子さんが映画を作ったというので、早速DVDを購入してみてみた。

このお宅はとても変わった家族の歴史を持っているので、映画の話の前に少しこの家族の紹介をしましょう。

夫の同僚のイーさんは、日本育ちの韓国人。
う~ん、在日韓国人とは少し違うと思うなぁ。

もともと韓国王朝の血を引く名門家系で、イーさんのお父様は戦時中日本の占領下にあったとき、日本の教育を受けて東京大学を卒業しているというから、かなりのエリート。
その後有力な政治家になったものの、クーデターが起こり政権が変わって、逃げるように日本に移りすんできた。
そしてイーさんは日本で育ち早稲田大学を出ているから、頭がいいのは血筋?
今では日本人の奥さんをもらってアメリカに移住し、2人のお子さんはどちらもアメリカ生まれのアメリカ育ち。
息子さんが今NYの芸術大学で映画作成の勉強をしており、一般の学部の卒論にあたる集大成の映画を製作したとのこと。

やっぱり一般人ではないのは家系でしょうか。
この映画はいろいろな賞を受賞し、サンフランシスコのアジア映画祭で上映されたというのだから、学生の域を越えている。
今ではDVD化されて、一般に販売しているというのだから、かなりの成功と言っていいだろう。

もちろんハリウッド映画のような華やかさはないものの,質素な中でもプロフェッショナルな出来栄えを見せている。
そして内容がまた深い。

ストーリーは彼の実体験をもとにした内容。

ある夏休み、彼はある大手証券会社でアルバイトをした。
投資家にレポートを送るために、印刷して封筒に入れて発送するという単純作業。
仕事時間は夜8時から午前5時までの夜間シフト。
そこで彼は、二層社会と言われるアメリカの下の層の人たちと出会うことになる。
そこで働く彼らのほとんどは、昼間もフルタイムの仕事をしているという。
映画の中でこんな会話があった。

「君は働き者だねぇ。居眠りをしないのは君だけだよ。でも信じられるか?あいつらにとってはあれが唯一の睡眠なんだ。君とジョン以外はみんな昼間も仕事をしている。あいつらは寝ないんだよ。ここでうたた寝するだけなんだよ。」

NYの私立大学に通う彼は、それなりに裕福な家庭で育った。
彼の友人達も大金持ちばかり。

いつものようにガールフレンドと一緒にいても、雇われて庭の草取りをする人など、低賃金で働く人たちが目に止まるようになる。
今まで気付かなかったもう一つのアメリカの一面が突然見えるようになってくる。

っというそんなお話。
なかなか考えさせられる内容。

いやぁ、学生が作ったとは思えない映画だった。
きっと彼は才能があるよ、その世界で成功することを願っているよ。

生意気になったもんだ

2007-06-03 02:52:40 | その他
難聴の人は聞き返しが多いと言うけれど、マー君はまだ訊き返しを一度もしたことがない。
聞こえなかったり質問の意味がわからなかったら、単に返事をしないで無視している。

でもたまに遊びに夢中で、聞こえているのに返事をしないこともよくある。
それでも親としては、聞こえてないんだと思って、何度も言う。
手話をしながら喋っているのに、遊びに夢中でこっちを見ないマー君。

「マー君、こっちを見て! ママの方を見て」
っとしつこく言うと、
「聞こえてるよ~」
っと一言、振り向きもせず遊びを続行。

全くむかつくやつだ。