白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

マー君の学校が始まりました

2009-09-15 03:41:19 | 難聴・手話
マー君の学校がスタートした。

アメリカではキンダガーテンは義務教育の一年目で、小学校の中にキンダーの教室がある。

マー君の学校はバークレーの中でも富裕層が住む高級住宅地にひっそりとたたずむかわいい学校で、一クラス20人の2クラスという小さめでちょうどいいサイズ。

バークレーではもっとも人気が高く、なかなか入れないらしい。

この学校には難聴教室が併設されているため、学区外であるものの入ることができた。

この学校には他の障害を持つこのための特別教室はなく、あくまでも難聴に焦点を置いている。
全校生徒はみんな簡単な手話を学び、先生方も手話ができる人が多い。


マー君は難聴教室ではなく普通教室に入ることになった。
っとはいっても、クラスの中にマー君も含めて4人の難聴の子がいる。
そのうち3人はCEIDからのもちあがり、心強い。


マー君の担任の先生はこの学校に21年勤めているベテランの先生。
キーワードに手話を交えながら話してくれる。

先日お会いしたときに、「一日目はまず補聴器の説明をするんです。残りの16人の子は補聴器を見たことも聴いたことも触ったこともありませんからね。みんな『うわ~かっこいい~、私も欲しい。僕もつけたぁ~い。』と大変なんですよ。」っと元気に話していらした。


学校には難聴教室の担任の先生の他にも、難聴教育の専門家や手話通訳が常在していて、一般教室を回っては、難聴の子をサポートしている。
マー君のクラスを担当しているのは日系アメリカ人の鈴木先生。
彼女もこの道20年以上のベテラン。
日系人にしては珍しく日本語もできる。すごくうれしい☆

アメリカの学校では普通担任の先生と、アシスタントの先生と、ボランティアの親たちが教室で子供たちと一緒になって学び遊んでいる。
だから『難聴教育の専門家による見回り』なんて仰々しい名目があっても、鈴木先生が自然に教室に溶け込んでいる姿が目に浮かぶ。

教育委員会との話では、「とりあえず普通教室に入って、もし必要であれば難聴教室にも行きましょう。」ということになっている。
でも先日鈴木先生にお会いしたときは
「マー君は全然問題ないですよ~。みんなとあっという間にお友達になって、積極的に発言もするし、ワンダフル、ワンダフル。」っとおっしゃっていた。


結局日本行きを躊躇したもうひとつの理由は学校。
日本語を学べるのはうれしいけれど、今せっかくいい学校に巡り会ったのに、それを捨てるのは惜しい。
それに難聴という点を考えると今以上にいい環境になるとは思えない。

私はどうしてもマー君を「自分だけ特別だ、自分だけが損をしている劣っている。」という気持ちにさせたくはなかった。
身近に同じ難聴の子がいる環境で育てたい、そう思ってきた。
20人中4人が難聴なんて最高の環境じゃないですか。


マー君はスクールバスも、スクールランチも、アフタースクールケアも大好き。

ただ・・・スクールバスがあと15分早く来てくれたらありがたいんだけど。
毎日遅刻なのよねぇ、今の時間だと。。。