長男の夜盲に気付いたのはいったいいつだろう。
2~3年ほど前だったと思う。
目は見開いているけど、どこを見ているわけでもなく、前に伸ばした手で宙を探るようにするそのしぐさを見てすぐに「見えてない」とわかった。
私がそこにいることも、私がそんな彼を見ていることにも気づいてなかった。
それから、時々そんな場面に出くわした。
でも、深刻に考えたことはなかった。
「この子は、夜目がきかないんだ」
その程度にしか思っていなかった。
あの日までは・・・。
夏休みに入る前の6月8日の夜。
リスが電圧計かなにかに入ったとかで、停電になった。
その日、夫が初めて長男の夜盲に気付いた。
長男が難聴を持って生まれてきたときに、目の検査をしている。
それはアッシャー症候群の疑いがないかどうかを確認するためのものだったらしい。
その時に「夜盲に注意すること、10歳前後で発症する場合が多いこと」を聞かされていたらしい。
私は知らなかった。そんな話聞かされていなかった。
そんなことすっかり忘れて日常生活を送っていたわけだが、この日に長男の夜盲を知り、夫がひどくあせった。
私も何か尋常でないものを感じ取り、インターネットを開いた。
「網膜色素変性症?『夜盲から始まり、視野が少しずつ狭くなって、いずれは失明する。治療方法はな・い・』まさか。ばかばかしい。」
あまり深く考えないようにして、その夜は寝た。
翌日夫が昼頃仕事を切り上げて帰ってきた。
とても仕事が手につかないと言って。。。
夫は、長男はアッシャー症候群ではないかと言った。
「何それ?」
生まれつきの難聴と、後に網膜色素変性症を発症する、アッシャー症候群タイプIIではないかと。
え?昨日の夜読んだ、その失明するっていう目の病気?それだっていうの?
バカなこと言わないでよ。
「それは、いくらなんでもあんまりでしょう。」
涙が止まらなかった。
そうと決まったわけでもないのに、涙が溢れて、溢れて。
何もかもが順調だったのに。
耳が悪いと言ったって、補聴器を着ければ聞こえる。
うちの子にとっても補聴器は、近視の人にとっても眼鏡くらいにしか思ってなかった。
学校の成績もよく。第一志望だった私立中学にも入れた。
テニスも上達し、楽しめるようになってきた。
読書が好きで、科学図鑑でも隅から隅まで読むから、なかなかの博識家。
そんな長男の前途が楽しみでしょうがなかった。
いっぱい勉強して、自分がやりたいこと、好きなことを仕事にしなさい。
そういって育ててきた。
「ゲームデザイナーになりたい、ロボットエンジニアになりたい。」
という長男。そんな長男の将来が楽しみでしょうがなかった。
長男本人だってそうだろう。
自分の将来にたくさんの夢を持って生きている。
それが、目が見えなくなるなんて。
間違いであってほしい。
お願い、お願いだから、アッシャーではないと、網膜色素変性症ではないと言ってください。
お願い、長男から目を奪わないで。
2~3年ほど前だったと思う。
目は見開いているけど、どこを見ているわけでもなく、前に伸ばした手で宙を探るようにするそのしぐさを見てすぐに「見えてない」とわかった。
私がそこにいることも、私がそんな彼を見ていることにも気づいてなかった。
それから、時々そんな場面に出くわした。
でも、深刻に考えたことはなかった。
「この子は、夜目がきかないんだ」
その程度にしか思っていなかった。
あの日までは・・・。
夏休みに入る前の6月8日の夜。
リスが電圧計かなにかに入ったとかで、停電になった。
その日、夫が初めて長男の夜盲に気付いた。
長男が難聴を持って生まれてきたときに、目の検査をしている。
それはアッシャー症候群の疑いがないかどうかを確認するためのものだったらしい。
その時に「夜盲に注意すること、10歳前後で発症する場合が多いこと」を聞かされていたらしい。
私は知らなかった。そんな話聞かされていなかった。
そんなことすっかり忘れて日常生活を送っていたわけだが、この日に長男の夜盲を知り、夫がひどくあせった。
私も何か尋常でないものを感じ取り、インターネットを開いた。
「網膜色素変性症?『夜盲から始まり、視野が少しずつ狭くなって、いずれは失明する。治療方法はな・い・』まさか。ばかばかしい。」
あまり深く考えないようにして、その夜は寝た。
翌日夫が昼頃仕事を切り上げて帰ってきた。
とても仕事が手につかないと言って。。。
夫は、長男はアッシャー症候群ではないかと言った。
「何それ?」
生まれつきの難聴と、後に網膜色素変性症を発症する、アッシャー症候群タイプIIではないかと。
え?昨日の夜読んだ、その失明するっていう目の病気?それだっていうの?
バカなこと言わないでよ。
「それは、いくらなんでもあんまりでしょう。」
涙が止まらなかった。
そうと決まったわけでもないのに、涙が溢れて、溢れて。
何もかもが順調だったのに。
耳が悪いと言ったって、補聴器を着ければ聞こえる。
うちの子にとっても補聴器は、近視の人にとっても眼鏡くらいにしか思ってなかった。
学校の成績もよく。第一志望だった私立中学にも入れた。
テニスも上達し、楽しめるようになってきた。
読書が好きで、科学図鑑でも隅から隅まで読むから、なかなかの博識家。
そんな長男の前途が楽しみでしょうがなかった。
いっぱい勉強して、自分がやりたいこと、好きなことを仕事にしなさい。
そういって育ててきた。
「ゲームデザイナーになりたい、ロボットエンジニアになりたい。」
という長男。そんな長男の将来が楽しみでしょうがなかった。
長男本人だってそうだろう。
自分の将来にたくさんの夢を持って生きている。
それが、目が見えなくなるなんて。
間違いであってほしい。
お願い、お願いだから、アッシャーではないと、網膜色素変性症ではないと言ってください。
お願い、長男から目を奪わないで。
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