徒然スキーヤー日記

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もうすぐ11月!11月の1か月予報を読み解いてみる…果たして11月のスキー場は冷えるのか?積雪は多いのか!??

2021-10-29 04:21:51 | スキー天気予想
えー.
前回の3か月予想.
ごく数人だけですが.
「面白かった」
とコメントをもらったのに気を良くして.

今回は毎週木曜発表になる1か月予報を
読み解いてみるのだ…!

…いつもは,1か月予報は,この
QXVV14の東日本の気温傾向だけを
載せることが多いですが.


実は,1か月予報もFCCX92という
こんな感じの詳細解説資料があって.


今回はこいつを詳しく解説するという.
一般読者を振り切って置き去りにしていく
ディープな記事を書くのだ…!

とりあえず.
FCCX92の一番最初の,各種確率の表を見ると…
うむ.
1か月平均の降水量,東日本太平洋側は
水色で記したように,降水量が少ない
確率が40%と一番高く.

そして,赤く印した東日本の気温は…
1週目(10/30-11/5)の期間は気温が
高くなる確率50%(涙)
2週目(11/6-11/12)は気温が高くなる確率と
平年並みの確率がどちらも40%.
そして,3-4週目(11/13-11/26)は平年
並みの確率が40%

ということで.

…この1か月,気温が平年より冷える確率は
低く.
前半はどちらかというと気温が高め,
後半は平年並みくらい
…という予想(泣)

あぁ…激冷えでドサドサ雪が積もる
11月になる可能性は低そうです(涙)

って.
ここまでは多くの人がついて来れると
思いますが.
ここからは,
読者振り切り独走モード
に入りますよ~!

さて.
1週目の詳細解説を読み解くと.
赤線部分には,
850hpa気温は…北日本を中心に正偏差,
寒気の流れ込みは弱い
…寒気の影響を受けにくくい東日本は
高温傾向

ということが書かれてます.


だもんで.
QXVV12から850hpa気温を見ると.
赤く印したように,確かにバイカル湖から
北日本は白抜きの正偏差…
つまり,気温が平年より高めである
ことを記してます.

この第1週の予想は,この850hpa図から
「まぁ,正偏差の北日本は気温高くなるよね…」
と,素直に予想してます.

で.次は第2週の予想ですが…
赤線部分.850hpa気温図から,
東日本では日本の北を通る低気圧に向かって
暖かい空気が流れ込みやすく,寒気の影響を
受けにくい

と書かれてます.
水色線部分は,
東日本日本海側は少雨傾向
と書かれていて.
第2週も,気温が高めで,雪も降らなさ
そうです.



日本の北を通る低気圧に向かって
暖かい空気が流れ込みそう…というのは,
QXVV12の海面気圧を見ると分かります.
この図,網掛けに目が行っちゃいますが.
赤く囲った線の中に低気圧があるのが
分かるかと.
この低気圧に向かって,水色矢印の
南風が吹き込みます…

冬になると,低気圧はもっと南を通る
ようになるんですが.
第2週はまだ低気圧は日本の北を通り,
それに向かって南風が吹くので
気温が上がる…と予想しています.
あぁ…2週目もダメか…(涙)

そして,最後の3-4週目の解説を見ると.
最初の水色下線部.
熱帯の対流活動は…インドネシア付近を
中心に活発となる予想となっているが
インドネシア付近まで対流活発位相が
進んで…可能性を考える

と書かれてます.



これは,QXVV15から200hpa速度ポテンシャルを見ると.
対流活動が活発な部分が,赤く示した
ようにインド東~インドネシア西くらいに
広がってるのが分かりますが.

ただ.
気象庁の人は,このコンピューター予想を
そのまま信じず,
「これ,もっと東にずれるよね…多分」
と思っているようです.

だもんで.こいつの水色線の2カ所目,
3カ所目にあるように,
高温の確率は割り引いて考える
高温傾向を割り引いて全国でほぼ平年並み

と,職人修正が入ってます…


さらに,この文章の赤線部分の最初のところに,
北半球全般にスプレッドが大きく…
と書かれてます.


これはどういうことかというと.
QVXX13の500hpaスプレッド図を見ると,
第3-4週の予想図,スプレッドが大きい領域を
示す網掛けだらけになっています…


ちなみに,第2週の予想図ではこんな感じで,
スプレッドが大きいことを示す網掛け
部分はほとんどありません.


スプレッドが大きいというのは…
コンピュータで複数パターンの予想を
行ったときのばらつきが大きい

ということで.
このあたりの計算による予想精度が
低いことを示します.

だもんで.この網掛けだらけのスプレッド図から,
3-4週の500hpa予想図は,正確さが低い
ということが読み取れます…

ちなみに,500hpa線が南に垂れ下がった
部分(トラフという)が,地上では低気圧に
なるので(厳密には,トラフのわずかに東が
低気圧中心になるんだけど…).
分かりにくいけど,この500hpa図.
5400hpa線が,赤く示したように日本
付近でちょっと南に垂れ下がってます…


それに対応して,QXVX12の海面気圧を
見ると.
日本付近は,平年より気圧が低いことを
示す網掛けに覆われており…
この図によると,日本は低気圧に覆われ
気味であることが予想されるんだけど.


これも,気象庁の職人補正が入って.
この赤線部分のように,
スプレッドが大きいから不確実性がある.
だもんで,天候の偏り(低気圧に覆われて悪天候に
なり気味)というのは割り引いて考えて,
大体平年並みだよ

…と,なっているのです…


ってな感じで.
この1か月予報にも,3-4週目には
職人による見事な修正
が入っていましたが.
…どちらかというと,
『スプレッドがでかいし,なんか循環中心も
いつもよりずれててるから,平年並みにしとくか…

という感じに読み取れます(笑).

で.
ここまで詳しく解説しても.
結局のところ.
11月はせいぜい平年並み.
そんなに冷えない

という,スキーヤーにとってあまり
励みにならない結果で.
ちょっとがっくり来ているSkier_Sだったの
でした…

まぁ,気温が異常に高いってよりは救いは
あるから,良しとしておきましょうか.←だからなんでいつもそんなに上から目線??

…そして.
いつもは1か月予報は,読み解いて一人納得
してるだけで記事にしないんだけど…
今回も睡眠時間を削り,2時間近くかけて
ディープな解説記事にしてみましたが.
果たして今回.
これを何人が最後まで読んでくれたんだろうか…
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