金曜日、名古屋競馬場で行われる東海ダービートライアル「第46回駿蹄賞(SPⅠ)」。
その大本命馬”シンメイジョアー”号は、前日行われたこ交流重賞「かきつばた記念(JpnⅢ)」の2着馬”サチノスイーティー”号の全妹だということです。
全妹、、、ということは、父も同じ、母も同じ。
人間で言うところのホントの姉妹と同じということです。
調べてみれば一年違いで生まれたこの2頭の姉妹、生まれたところ(生産牧場)も、育ての親(馬主、調教師)も、育った環境(中央と地方)も、全く違います。
そんな姉妹が、2日間連続で同じ競馬場の重賞競走に出てくるということは非常に珍しいことのように思います。
それも競馬サークルの中では最果てに近い”名古屋競馬場”という舞台で、です。
ただ同じなのは、彼女達がスピード能力の高い素質を秘めた期待馬であるということだけでしょう。
★サチノスイーティー 4歳牝 (JRA美浦・平井厩舎所属)
19戦(5勝-3-2-9) 総賞金13910.0万円
★シンメイジョアー 3歳牝 (地方名古屋・竹地厩舎所属)
8戦(6勝-1-0-1) 総賞金 623.0万円
こうやって見てみると、同じ優れた能力を持った姉妹なのに、一方は上流階級のお嬢様、一方は下町育ちのイモ娘、なんてベタなTVドラマの設定のような2頭のように思えませんか?
私は血統とかにはあまり興味はありませんので馬をドライな感覚で見られず、どうしてもこんな世間一般が喜んで飛びつきそうな部分の話題に目が行ってしまうのです。(笑)
サチノスイーティーは、すでに中央の芝の重賞を勝っているように実績十分のお嬢様です。
短距離のスピード型で深いダート適性が疑問視されていましたが、昨日の交流「かきつばた記念」では見事2着に入線し、ある程度の順応はできることを証明してくれました。
中央のレースで5勝しかしていないにもかかわらず、獲得総賞金は13910万円という孝行娘。
芝のスピードレースのみならずダートの交流戦などでも、さらなる期待が寄せられます。
一方のシンメイジョアーは、昨年名古屋でデビュー。
当然のことながらダート中心で使われ、名古屋では連戦連勝。
唯一、挑戦した中央の芝レースでは15着に敗退しています。
いわば姉のサチノスイーティーとは育ち(調教環境)が全く違い、今のところは典型的なダート馬と言えます。
しかしながら、その高い素質、レースセンスは、名古屋競馬のファンならば誰もが認めるところ。
6勝してわずか623万円の獲得賞金しかないこの田舎のイモ娘が、これからどのように成長していくのか?
それはこれから起こるであろう壮大なる”名古屋競馬劇場”のストーリーのほんのプロローグであるのかも知れません。
その王子様役は、先日1000勝を達成したばかりの名古屋の丸野勝虎騎手。
キャスティングに不足はありません。
彼のエスコートで、彼女は誰もが認める立派なファーストレディーになれるのか?
シンメイジョアーの”シンデレラストーリー”。
そして大きな舞台での”姉妹対決”。
名古屋競馬には、こういった楽しみもたくさんあるのですね。
少々週刊誌的な話になってしまいましたが、でもそうやって見れば名古屋競馬も数倍面白く感じられることでしょう。
こんなところにも、競馬のドラマは隠されているのです。
しかしながら少々興ざめな話もすれば、このシンメイジョアー号がもう少し実績を挙げたなら”移籍”ということも考えられなくはありません。
それは今の御時世では、至極当然のことでもあります。
それでもなお、名古屋デビューという事実は変わりありません。
もっともっとマスコミに取り上げられて話題になれば、この手の話は盛り上がるとは思うのですが・・・。
これは名古屋競馬を知らなければ、そんなことは誰も気にも留めないこと。
今回のこの2頭の”ニアミス”がなければ、血統に無関心の私は全く気づかなかったことでしょう。
もっともっとシンメイジョアーには、頑張って活躍して人々の視線を集めるようなヒロインになって頂きたいものですね。
何年か先にこのブログで、
彼女のシンデレラストーリー、
書けたらいいなぁ~・・・。(笑)
それでは、また。
(掲載写真は・・・・・、
同じ日に行われる「兵庫Cシップ(JpnⅡ)」のポスターです。)