現在、名古屋競馬場で行われる交流重賞は3レースです。
12月の「名古屋グランプリ(JpnⅡ)」(2500m)、
3月の「名古屋大賞典(JpnⅢ)」(1900m)、
そして今回の「かきつばた記念(JpnⅢ)」(1400m)、です。
この「かきつばた記念」は、毎年ゴールデンウイーク真っ最中に行われ、陽気も良く多くの観客が詰め掛けるので、特に場内の雰囲気も盛り上がるレースでもあります。
かきつばた記念の距離の1400mは、名古屋では一般的なレースの距離で、ちょうど名古屋のコースを1周するレースです。
4コーナー奥のポケットからスタートし、短い名古屋のスタンド前の直線を目一杯使って先行争いを演じます。
展開を読む上ではまずここが最初のポイントで、ここでの位置取りがそのあとのレース展開に大きく影響します。
特に最近は前残りのレースが多く、先行有利の馬場と言われていますので、1400m戦はどのレースも各馬有利なポジションを取るために激しい先行争いが行われるのです。
1900m戦と違い、比較的レースの流れに起伏が少ないですので、なかなか後手を踏んだ馬が、レース後半に小回りコースの外目を”まくりきる”ことは至難の業。
よほどの実力差がない限り、ペースを考えてあえて展開の利を求めるよりも、オーソドックスに先行策をとる馬の方がやはり勝つ確率は大きいと言えるでしょう。
しかしながら、このクラスのレースでは最初のコーナーで一旦ペースは緩むものの、2コーナーを過ぎて向こう正面に入ると、もうすでに各馬ラストスパートの準備に入ってきます。
どの馬も実力のある実績馬ばかりですから、少々のリスクを背負っても早い仕掛けになりがちです。
激しいポジション争いに加速するペース。
上位に食い込んでくるような馬は、先行馬でもラスト3ハロン37秒台の脚ではまとめてくるでしょうから、3コーナー入り口までの位置取りが勝負を読む上での2番目の分岐点。
力のない馬、調子の悪い馬は、そこで終わりです。
また、小回りコースのきついカーブを考えれば、並んでコーナーに入れるのは3頭くらいまでですので、少なくともその先頭グループの直後に位置している2~3頭を含めて5~6頭までが、先頭でゴール板を通過する権利を保有しているといえるでしょう。
そこまでに、いかにスムーズに、馬に負荷をかけず、そこまでを迎えることができるかがポイントなのです。
また、あまりにも上がり勝負になって4コーナーを抜けて直線を向いた時に、先頭集団が少しでも外へ膨れてしまうと、インコースでじっと追い出しを我慢していた馬にもチャンスが巡ってきます。
一瞬の脚しか使えないような馬は、外目から必死になってまくってくる馬を横目に、インの2番手あたりから直線勝負にかけることも可能です。
なんと言ってもコースロスの差が大きい小回りコースですから、そこで得られるメリットも思った以上に大きいものがあるのです。
ジョッキーの腕の見せどころが多く、馬の実力だけで決着しないレース。
それがこの名古屋1400mの「かきつばた記念」なのです。
名古屋「第9回 かきつばた記念(JpnⅢ)」ダ1400m右
1-01 メイショウバトラー 牝7(JR)武 豊55★名手どう乗る?
2-02 サチノスイーティー 牝4(JR)吉田豊55★内枠先行有利
3-03 サンライズビート 牡8(荒尾)林 陽56★挑戦者の立場
4-04 ロッキーアピール 牡9(川崎)山崎誠57★去年の覇者
5-05 リミットレスビット 牡8(JR)岩田康58★実力一番
5-06 ムーンバレイ 牡6(愛知)吉田稔56★ベストの距離
6-07 レイナワルツ 牝7(愛知)児島真54★ハマれば
6-08 クイーンロマンス 牝6(笠松)尾島徹54★力苦しい
7-09 マサアンビション 牡8(愛知)戸部尚56★絶好調馬
7-10 クーリンガー 牡8(JR)和田竜57★流れ向けば
8-11 キングスゾーン 牡5(愛知)岡部誠56★頼みは根性
8-12 マイネフォクシー 牝6(愛知)丸野勝54★力不足の感
<予想印>
◎ ムーンバレイ
○ キングスゾーン
▲ リミットレスビット
△ マサアンビション
× メイショウバトラー
ムーンバレイは、昨夏、名古屋の平場1400m戦において”1分25秒2”という優秀な時計で勝利を挙げたことがあります。
その頃の名古屋競馬場の馬場がガチガチの極軽馬場であったとはいえ、その時の2着馬がキングスゾーンで、つけたタイム差が1.0秒。
そう考えれば、この馬のベストの距離はこの辺りであると想像され、また力をつけてきたと思われる近走の成績からも、ここは是が非でも勝ちたいところでしょう。
吉田稔騎手の腕に再度期待。
キングスゾーンは、さすがに昨夏の頃の馬の状態と今とを比べるのはナンセンスでしょう。
その実力は、いまや交流重賞でも何度となく証明されています。
しかしながら毎度、乗り難しいところがレースでの敗因。
同型の多い顔ぶれ、先行馬には不利な枠、今乗れていない岡部騎手・・・、買えない要素は多いもののただ唯一望みがあるとすれば、マークが心持ち薄くなったこと。
混戦で抜け出るのは、この馬。
岡部誠ジョッキー、ここで男になれるか?
リミットレスビットは、実力一番は認めます。
堅実な鋭い差し脚も持っています。
岩田騎手に導かれてあっさりと勝利の展開も考えられますが、同じ距離、同じ条件でそうそう連続して同じような競馬はできないもの。
体調が平行線かそれ以下ならば、足元をすくわれる可能性の大きいレースのような気がします。
マサアンビションにも同様なことが言えますが、こちらは体調は上昇中。
少々、力不足でも勢いは無視できません。
この馬もベストはこの距離。
また今年ノリにノっているベテラン戸部騎手の腕にも注目です。
知り尽くしたホームコースで悲願達成も。
メイショウバトラーは、一番枠がどうでるかでしょう。
鞍上は世界の武豊。
一番枠の利を最大限に生かせれば、勝つだけの力は持っています。
はっきり言って混戦です。
展開もゲートが開いてみないことにはわからないレース。
だからこそ、地方馬ではキングスゾーン、、、と言いたいところですが、この距離ではやはりムーンバレイかマサアンビションだよなぁ~・・・、というのが私の漠然とした予想です。
JRAのリミットレスビット、メイショウバトラー、クーリンガー、サチノスイーティーは、どれが勝っても全く不思議はありません。
ただ、どの馬も今回は、いまひとつ決め手に欠けるというか、不安材料がつきまとっているような気がしてなりません。
今回は地元だけに、応援馬券も含めて、ムーンバレイとキングスゾーンの2頭軸から、JRA馬に3連複を4頭流しで。。。
あと、ムーンバレイからの馬連も押さえとくかな。。。
それでは、また。