月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

切替住職

2012年02月17日 20時42分22秒 | 仏々相念(住職日記)

優しいひと時・・・

 

ウチは家族も少数ですし親戚もありません。

坊守の親戚は多いのですが・・・

しかし、御門徒のお宅にお参りすると多くの兄姉がおって下さいます。

本当によくして下さり案じて下さいます。

今日もそんなひと時でした。

 

「痩せられましたか~」で始まり最近の出来事など聞かせて下さることです。

最近、姑さんをお亡くしになり介護から往生までの姑さんに対する思い・・・

傍におられるお兄さんたちも静かに頷いておられました。

 

「住職さんもお身体気を付けて下さいね!」

「ボツボツさせていただきます。」

「でも、休む間がないから大変ですね。」

「そうですね、休みが無い訳ではないのですが休みであって休みでない日々でして・・・気分的に休めないですよね・・・どこにいても。」

「本当にそうですね。ところで普通の服って着られるのですか?」

バンバン質問されます・・・

坊さんの日常ってどんなんだろうって思われるのでしょうか・・・

「お姉さん、思いっきり普通の服ですよ!他の坊さんは知りませんが、私に到っては思いっきり服です。だらしない格好しています。だから、どこかですれ違ってもお分かりになられんと思いますよ!」

「え~、そうなんですか~!全然、イメージが湧きません!でも、ず~っと御袈裟つけてたら休めませんもんね・・・」

って、この愚かな住職を案じて下さるのです。

「そしたら着替えされた時が切替なんですね!」

「ありがとうございます!私にとってはその通りで着替えするまでは、だるくてグダグダしているのですが、着替えすると気合いが入ります。」

 

などなど・・・ご法儀の話にはなりませんが、愚かな弟を案じて下さる心地よさに長居することです。

 

切替か~・・・

本当にそうだよな~、都合良いように切替とるよな~・・・

 

ウダウダ・グダグダがピシッと替わっているのではないのです。

どこまでもそれを抱えつつ過ごすのです。

これでは様にならないので、着替えて「外面住職」となるべく気合を入れる。「よっしゃ~!」

御衣御袈裟がそれなりに仕立て上げて下さる。

だから・・・いつも御衣御袈裟を身に着けさせていただく時は、「身に着けさせていただきます」と頂かずにはおれません。

すいません・・・こんな恥ずかしい私なのに!

 

帰ってご縁がなければ速攻で着替えます。

先程まで「満面の笑み」でおったコイツが切り替わります。

顔しかめ、ウダウダグダグダ前面に出しながら・・・

 

お姉さん、すいません・・・

優しく案じて下さるコイツの有様の恥ずかしいこと。


木登住職

2012年02月16日 22時34分32秒 | 仏々相念(住職日記)

単純ですね・・・

 

しばらく晴れ間の少ない日が続きました。

昨日も路面の悪い道を走っていたのでニコニコさんもドロドロ状態でした。

 

今日、久しぶりの快晴だったのでず~っとウズウズしていました、洗車したくて!

娘も乗りますので汚れた車を運転させることは許されません。

買い物に行くにも気持ち良く運転させてやりたいのです。

夕方の買い物に行く相談を坊守としているので、「先にニコニコ洗うけん、ちょっと待っとって!」

 

ニコニコさんだと、シャンプー洗車だけなら30分程で仕上がります。

ホイール、タイヤ、足回り。

次にボディ―洗車、泡々で気持ち良く汚れを落とします。

仕上げに拭き取り。

手慣れた順序で進めていると、ある業者の方が来寺された、

「この紺の艶、凄いですね!よく手入れされているんですね!」

「ありがとうございます!でも、もう色褪せが酷いんですよ。ワックスでごまかしているだけですから・・・」

「いえいえ、本当にこんな輝き見たことないですよ!」

って立ち止まり眺めまわして気持ち良く褒めて下さいます。

お世辞と分かっていながらも嬉しいものです。

 

夕方になり娘と坊守が出てきました。

ニコニコのボディーに初心者マークをペタリンコ!

気持ち良さそうに出発していきます。

走り去るニコニコを見ながら、「本当にきれいだよな~、キラキラしてるもんな~」って一人でブツブツ自画自賛。

好きな車の姿を見るのって大好きです。

 

晩ご飯をいただきながら、先程の業者さんの話になり、

「ニコニコ、褒めてもらってね!」

「私にも言ってたよ!あの方の車も軽4で14万キロですって、白色なんだけど経年変化でそれなりになっているって・・・だから、満更お世辞じゃないんじゃないの!その前の車は20万キロ走ったそうよ、高速で小石が跳ねてフロントウインドウを傷めて断念したんだって・・・」

車好きの方だったようです・・・

 

それを聞きつつ、木に登っているコイツがいることです。


師之言葉

2012年02月16日 21時28分25秒 | 仏々相念(住職日記)

懐かしき香りのなかで・・・

 

茨城から帰られた御門徒さん。

今朝4時に出て羽田~松山飛行機、松山~宇和島レンタカーで昼過ぎに到着。

2時間程のご縁をいただき、直ぐに来た道を帰られるとか・・・

「ゆっくりできないですね~」ってレンタカーに乗って帰られる後ろ姿を見送ったことです。

 

お母さんのご縁でしたが、わざわざこの寺までようこそお参りをいただいたことです。

近所のお寺でお取次をお願いしているのだそうですが、やっぱり故郷でって思われるのでしょうか。

懐かしい空気の中、懐かしいお顔・声・温もりに出会われるのでしょう・・・

バタバタでしたが、温かいひと時をいただいたことです。

 

「もう愛媛を出て50年以上になります。今の自分があるのは恩師のお陰です。この先生の話を胸に生きてきました。帰省するたびに会いに行くことを楽しみにしていましたが、もう亡くなってからは墓参りだけしていることです。」

「あ~、心の師がおられたのですね!よかったですね、良い先生に出会えて!」

先生の言葉ってすごいですね!

人生を歩む力に成るのだから・・・

どのような言葉だったのでしょうか、尋ねてみればよかった・・・

 

長い人生において「先生」って呼ばれる多くのお方と出会ってきます。

そのなかで「心の師」って呼べるほどのお方に出遇えることはなかなか難しいですよね。

でも、よ~く考えてみると「先生」って呼ばれる方だけが「心の師」になれるのではなく、いろんなモノがそれに成り得るのでしょう。

車であったり、馬であったり、靴であったり・・・

「お~っ、そうやった!!!」って気付かせて下さる、そんな「心の師」に出遇われてますか・・・

 

私にもお一人だけおられます・・・

お会いすると「ホッ」とできるのですが、無茶苦茶緊張します。

お元気でおられるのでしょうか・・・

 

ひと時、懐かしいお顔を思い浮かべさせていただいたことです。

失礼ばかりして申し訳ありません・・・


人生濃度

2012年02月15日 20時48分27秒 | 仏々相念(住職日記)

何となく・・・

 

愛媛新聞の「門」(読者投稿)には、愛媛マラソンの特集が掲載されています。

私よりかなり上の人生の先輩方々が完走された喜びを投稿されています。

 

凄いよな~って感心しきりです。

走れないコイツは、否、走ろうとしないだけなのかもしれませんが、どんな世界なのだろうと興味津々。

人生観が変わるだろうな~・・・

 

愛媛マラソンのキャッチフレーズは「走った人と走らない人では、人生の濃度がちょっと違う」だったとか・・・

 

「高い参加費を払って、しんどい思いをして何が楽しいの」って言われるのだとか、なるほど、それも分からんではないのです。

「オレだったらその金(8千円)で美味いもんでも食べた方がいい!」・・・

「そんな時間があったらゆっくりしとった方がいい!」・・・

そんな思いが見えてくるようです。

というか、そういうコイツが見えてきます。

そんな言葉を聞くにつけ、やっかんでいる小さい心が見えてしようがありません。

本当は「やってみたいな~」って思いがチラチラしているのに・・・

 

どこかお聴聞に似ているよな~って思ったりもします。

「高い寄付金を度々求められ門徒講金や賦課金、護持会費を払って、しんどい思いをして何になるの?」って感じ。

ちょっとこじ付けでしたでしょうか・・・

でも、そんなしんどい思いするより現実よ、現実!寺どころじゃないよ!こっちが大変なのに・・・

自然に寺とも疎遠となり、法座に参ることもない・・・

仏さまに出会わず終わってしまう・・・

寺に生まれなかったら、私もそう思っていたでしょう・・・多分。

 

いつ頃からだったでしょうか・・・

ず~っと申させていただいていることがあります。

「長いか短いか分からんこの人生の中で、阿弥陀さまに出会えるか出会えないかでは大きな違いがあるのではないでしょうか!」

出会わなくても生きていけます・・・

でも、その人生は「オレが、ワシが、私が・・・!」で終わってしまう人生なのでしょう。

オレが、生きてきたんだ!・・・

オレが、掴んできたんだ!・・・

確かにそうなんです、それに違いないのです・・・

でも、それで終わってしまってはあまりにも寂しい。

「オレの人生、何だったんだろう・・・」って必ず終わるのでしょう。

寄り添ってくださるはたらきが見えないのですから・・・

 

阿弥陀さまに出遇えた人生とは・・・

どこまでも「オレが、ワシが・・・」の人生なのですが、優しき光に照らし出されたオゾマシイ己が姿に気付き「申し訳ない・・・有難う!」って言える自分にさせていただくことでしょう。

こんなオレが、生かさせていただいていたんだ!・・・

これら一つ一つ、いただいていたんだ!・・・

そう頭を下げながら歩むことが出来るのでしょう・・・

辛いこともしんどいことも沢山あったけど、生かさせていただいて本当によかった!

そう思える人生になるのではないでしょうか。

寄り添ってくださるおはたらきに出遇うのですから・・・

あなたがいてくれたんだねって出遇うのですから・・・

 

一緒にお聴聞させていただきませんか?

お寺に参って座ってみませんか?

きっと「人生の濃度、思いっきり深くなるはず!」

だって、本当の自分に出会うのですから・・・

 

フルマラソンの30キロ地点ってもの凄く辛いんですって・・・

足が動かなくなるんだとか・・・

それを動かして下さるは、沿道の応援して下さる方々の声援やスタッフの支え、家族の顔・・・

あなたがいて下さるから走れるのだそうです。

 

毎日が30キロ地点、苦しいですよね、辛いですよね・・・

立ち止まるかもしれません、座り込むかもしれません・・・

涙さまが流れます、きっと・・・

あなたに出遇うのですから!

ボロボロになりながらもまた一歩・・・

 

「よっかた!本当に・・・よかった!」

 

 

 

徳正寺常例法座のご案内

 

日時、毎月16日(土日が重なる場合は月曜日)

    あさ、10時~

お勤め、正信偈

法話、坊守・住職

茶話会、美味しいお茶飲みながらワイワイガヤガヤ

 

寒い日が続いていますが、一緒に仏さまの前に座らせていただきながら優しいひと時にさせていただきましょう。

坊守とお待ちしています。


余裕保持

2012年02月14日 22時01分45秒 | 仏々相念(住職日記)

もっと、余裕を・・・

 

疲れきって帰るとみんないます。

「お帰り~」

普段は聞こえない娘の声も聞こえます。

お~っ、娘がおるんだ~って改めて嬉しくなります。

 

遅くなったために一人での食事となります。

でも、みんな伽してくれて・・・

久しぶりに瓶ビールをいただきました。、

去年の今日のブログも同じ様なパターンで瓶ビールいただいてベロベロ状態。

美味しくて、美味しくて・・・

横に座ってくれている息子が、「がいに、ペース早いけんね~!」

缶ビールだとそのまま飲んでしまいますが、瓶だとコップで飲むので一味違うような気がするのです。

何も味なんて分からん癖に・・・何となく美味しいのです。

みんながいる、ここにいる!

そんなひと時がとてもとても愛おしい・・・

 

ベロベロ状態で皆に程良く突っ込まれ最高のひと時をいただきます。

英語の宿題をしている息子・・・

その前で、息子の英語を見ながらコメントする娘・・・

最高のデザートを作って持って来てくれる坊守・・・

肩を寄せ合う小さくも何よりもホッとできる何気ないひと時。

 

寂しがり屋の大切なひと時!

 

小さいことでウジウジ言っている自分の余裕の無さを思います。

辛いけど、しんどいけど・・・

寄り添ってくれるはたらきがある。

一緒にいてくれるはたらきがある。

 

だからもっと余裕を持って生きていけたらいいのに・・・

 

願生ろう・・・明日があれば、また!