みなさん こんにちは
5月の飛鳥史学文学講座は乾善彦関西大学文学部教授の「古代人と文字 漢字への憧憬と畏怖」(5/12、明日香村中央公民館)でした。ご専門の古代文字を生活視点から考えました。以下、面白かったことを。
・文字(漢字)が入るまで日本には「読む」「書く」の行為は存在しなかった。しかし、「よむ」「「かく」は和語で、まだなかった行為(読む、書く)を表す言葉が日本語に存在していたことになる。
・「かく」はひっかく、つまり描くとか文様を表す言葉としてあった。「よむ」は、歌を詠む、数をよむから来ている。声に出す発話が伴っていたと思われる。
・名(ナ)は事物の単なる名称でなく、実体そのものと意識されていた。仮名は仮の名前、実体のないもの。
・祈る、呪うの語源はどちらも「のる(宣)=呪力を持った発話」。
・東京国立博物館 の法隆寺宝物は、明治初め同寺が廃物棄却を避けるのと伽藍修理費ねん出のために天皇に献納した。
・草書は芸術的な書体。平仮名に通じるのは草書体ではなく、日常使われていた略書体。これからも課題は残るが。
・古代は、楷書、略書、草書などと文字の種類が豊富だった。明治以降楷書が使われている。今は活字が90%。文字の多様性が無くなった。
・ワープロの復旧で、「書く」行為から「打つ」「選ぶ」行為に変化してきている
・ことばには霊力があって「ことだま」、ことばに出すことは実現すると考えられていた。今もその感覚は残っている。
とっても面白かったです。そしてその講演の後の控室では、
「文字はだいたいの形でよい。楷書は不要。それらしく書けばいい」
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