これが私の生きる道

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舞台「水の戯れ」

2014年11月08日 21時18分12秒 | 演劇
当初の予定では今日はPUFFYのライブを観に行く予定でした。
しかしヤフオクで3000円辺りで中々落札できず、
昨日までに結局用意できませんでした。
さてどうしたものかと適当にうろついていると
この舞台のチケットが1円スタートで出品されていて
入札されていませんでした。

軽い気持ちで2000円で入札しておいた所、
800円で落札できました。
かんたん決済、発券手数料含めても1000円ちょっとしか掛からず
定価だと6500円なのでかなりのディスカウントオフです。
久しぶりにオークションで得したなぁ、と思える取引ができました。
場所は本多劇場で、しかも前から2列目、通路側と
すごいいい席で、何がなんやらという気分です。


あらすじ

家業を継ぎ、仕立屋をしている男(春樹)。
長らく、死んだ弟の細君(明子)にひそかに思いをよせている。
実弟の妻だったことはむろんだが、
生来のまじめな性格のため、告白できない。
男の気持ちに薄々気づいている女も、
思いを同じくしているようだが、亡夫のことがあるのか、
はっきりとは気持ちを表してはいない。
そんな折り、海外に 仕事の場をもっている、
無頼な兄(大造)が若い中国人の恋人(林鈴)を連れて帰ってくる。
2人の親密なけんかを見るにつけ、男は40を過ぎ、
いよいよと決心を固めつつあるが、
懸念が先だって行動に移すことができない。
ハッキリしない2人の態度と、周囲の勘違いと思いこみも合いまって、
事態は次第に緊迫感を増し、ゆっくりと狂い始めていく。


結論からすると、とても面白かったです。。
岩松さん脚本の舞台はこれまで何作か観てますけど
内容的には今までで一番分かりやすいものでした。
しかし一人一人が何を考えているかとか
何でそんな態度、行動をとったりするかは
いつも通り、あまり理解できませんでした。
チケット代が浮いたので、償い半分でパンフレットを購入し
そこにも書いてありましたが
「わからない女」にあえてしているようです。

春樹の義理の妹にあたる明子は
はじめは見た目からして常識人のように見えるのですが
物語が進むにつれて
一番おかしい人に見えてくるのが興味深いところです。
幸せになるのを自ら拒否してしまう性向があるようで
計算で男を誑かすのではなく
本能的にそういう態度を取ってしまう、
劇中だけでも、4人の男性から好意を抱かれます。(自殺した元旦那を含む)

この明子を演じた菊池亜希子さんっていうのが
その設定に説得力をもたらします。
一発目で登場してきた刹那、
思わず釘づけになりました。
チラシとかHPの写真では何とも感じなかったんですけど
まだこんな魅力的な女優さんがいたとは
世の中は広いものです。

例えば杉本彩みたいな人が魔性の女だったら
記号的すぎて意外性もないし怖くないんですけど
菊池さんみたいな人がそうだとすると
見た目とのギャップでより狂気が際立つというか
男たちが翻弄されるのも頷かされます。
翻弄されるのは男性だけでなく
菜摘という明子を執拗に付けまわす若い女性も登場しますが
彼女も惹きつけられた人物です。

第1幕であんなに春樹は彼女を好きで好きでしょうがなかったのに
春樹と明子は結婚して第2幕が始まるやいなや
もう二人は険悪なムードを漂わせています。
春樹の嫉妬がそうさせるのですが
彼の度量の狭さが目に付きました。
見ている分にはどうしようもない男だなぁと感じるのですが
たぶん自分にもそういう部分があって
それが余計にそう感じさせるのだと思います。

春樹の兄の中国人の恋人・林鈴を演じたのが瑛蓮さんという方なんですが
本当に中国の方かと勘違いする位、違和感がありませんでした。
途中からは彼女がしゃべるだけで笑ってしまう展開でした。
今回の登場人物でダントツで好感度が高く
明子に翻弄されなかった唯一の人物です。
彼女みたいにはっきりとものを言う人が
一番幸せになれるのかもしれません。


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