暫定税率を廃止して石油価格を値下げするという。
値下げするということに反対する人はたぶん誰もいない。しかし、自由競争価格に反して日本国政府が石油価格に資金投入するのである。いったいどうなるか予測がつかない。野党は国民に迎合して高いから安くすると言うが、そんな単純じゃない。何故石油価格が高騰しているか、何ゆえ暫定税率を設けたのか、税率を撤廃したらその影響は、根本的解決になるのか?などなど、悪乗りしたら怖い要素がいっぱいだ。
高ければ大いに節約して乗り越えるのが自然だと思う。
石油価格が高騰しているのは石油相場に対する投機であり、金儲けをたくらんだ資金が大量に流入した結果である。米国のサブプライムローンにしても金儲けのための無節操な資金投入によってもたらされている。冷静さを取り戻して事業が成り立たないことが明確になったところで投機熱が冷めて破綻しだぶついた資金が今度は石油に流れ込んでいる。石油が不足して価格が高騰している訳ではない。価格の上昇を目論んで資金が投入され価格を押し上げている。
これを阻止するには冷静さを取り戻すしかない。
要は国内経済が石油高騰に見合った採算を見直すことであって、新たな資金を投入して火に油を注ぐことではない。日本国が石油の暫定税制を撤廃することは、その分の金が投機筋に流れることに等しいし、ますます投機に拍車をかける。日本経済が破綻するほどの危機であれば一時的な資金投入も有り得るが、今がその時期だとはどう考えても思えない。選挙を睨んだ日本国民への人気取りのためであれば、国を滅ぼす考えに近い。
80年代の日本でバブル経済が存在したが、
実態は採算の取れない無謀な投機であった。金儲けのためだけに資金を運用するという世界があるが、これは本末転倒であり、許されるものではないし、あくまで健全な経済に寄生するダニやヒルの類いに等しい。これが本体になることは破綻を意味する。お金は目的をもって健全な事業に投資されなければならない。金さえ儲ければ目的も手段も選ばず何でもいい世界は身を滅ぼす。
お金は「生命」そのものでもある。
日本人は「お金」というと、さもしい、生々しい、世俗的なものだと思ってしまうが、お金で生命が救えるし、お金のために生命を落とす人、お金に生命を賭ける人がたくさんいる。それはお金の金額の数字ではない。お金の目的のためである。ある目的を果たすために必要なお金のために生命が左右される。
日本でも殺人事件のほとんどはお金に絡んでいる。
それほどお金は大切なものであり、そのくらいお金を大切にする心があれば、本当は金に絡む殺人事件なんて起きないのである。金銭管理がルーズで無計画に散財した結果どうにもならなくてお金のために殺人を犯している。お金が悪い訳ではなく、お金を大切にする心に欠け、お金の使い方がよろしくないのである。お金はそのまま物に通じるし労働力にも信用にも安心にも安全にも通ずる。これらを大切にすることは重要なことである。
お金がお金を生む世界は何かおかしい。
富む者がますます富み、貧しい者はますます貧しくなり貧富の差は拡大するばかりである。はっきり言うと貧しい者の労働の対価を金持ちが吸い上げている。本来であれば金持ちもしっかりと公のために労働をしなければならない。働かないでも金が得られる世界はおかしいと思わなければならないし、少なくとも労働の対価が正当に支払われる世界であるべきである。金儲けのために投機に走る人達が公のために役に立つ労働をしているとは私には思えない。
全世界で金儲けのための投機が白熱している。
儲け話と聞けば何にでも手を出し、即座に大量の資金が集中する。そして市場を食い荒らした後、大量の資金は次の獲物を狙って離散し、獲物となった事業は次々に破綻して行く。将来性も未来予測も発展的・建設的意識もない。その場限りで金が儲けられればいい感覚である。こんな投機はどうにかして排除しなければならない。答えは簡単で、投機してもあまり儲からないと一般大衆に早く気づかせることである。
投機で儲けられるのは投機する人がいるからである。
投機の対象は、ただの一つの事業に過ぎない。そして儲ける人はほんの一部で、ほとんどの人が損をする。ほとんどの人が損をした部分が一部の人の儲けになる。ほとんどの人とは通常は一般大衆であり、労働に基づいた対価で稼いだなけなしの金である。結局はこれが吸い上げられる。勝負を決めるのは情報であるが、一般大衆の人の情報は限られている。結局は負ける。
投機でなく投資をすればいい。
投機は偶然の金儲けが目的であるが、投資は確実な利益を目的に事業に資金を投入することであって、一か八かの賭け事ではない。しかも事業の推進に投資することであり、投資を通じて社会に貢献することでもある。自己資金を事業に投資することは立派な社会貢献であり、事業が推進されれば利益も還元される。とても健全な経済活動であり、本来の姿でもある。古今東西一獲千金を夢見て成功した事例はほとんどない。
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