北朝鮮が衛星の打ち上げ実験を行った。
世界中で大騒ぎであり、特に日本は国を挙げて非難囂々であった。しかし、衛星打ち上げは世界各国がやっていることであり、日本も種子島から打ち上げを繰り返している。この頃は国だけでなく民間企業も打ち上げに熱心である。それなのに、北朝鮮が打ち上げたら自分達のことは棚に上げて、一方的に非難するのは間違っている気がする。今回は北朝鮮の言っていることが正当な気がする。
衛星打ち上げと言っているが、実質は核兵器開発である。
そんな声も聞こえるが、それでは日本の衛星技術は核兵器開発のためにやっているんですか?と、問いたい。確かに、日本も核を持つ能力を身に着けるため、原子力研究やロケット開発で技術力を誇示して周辺諸国に対する抑止力としようと密かに画策はしているのだろうが、それを咎められることはない。まぁ、顕在化していないので咎めることもできないのだろうが、やっていることは一緒である。
衛星も原子力も建前では平和利用が前提である。
ところが、軍事衛星も核兵器も厳然として存在する。おかしいと言えばおかしいが、必要悪だとして認めざるを得ないようである。北朝鮮もこの現状を見て、自国も遅れまいとして周辺諸国と対等の立場になるべく必死に技術開発に励んであるのであろう。これが悪いと言うなら、軍事衛星や核兵器を保有する国は全て悪いことを既に行っていることとなる。そこの部分の矛盾を質さない限り北朝鮮を責めることはできない。
日本の国は核兵器と言ったら戦略核しか頭にないようだ。
核兵器には戦略核と戦術核がある。いずれも核兵器なのである。衛星技術と戦略兵器である大陸間弾道弾を結び付けて危険であると言っているが、北朝鮮が日本を攻撃するには戦術核で十分である。核兵器さえ必要なく通常兵器でも十分攻撃できる。どこに目を向けて騒いでいるのかと疑問に思うばかりである。北朝鮮は衛星を保有しなくても日本を攻撃するのは可能であり、十分な攻撃能力を既に保有しているのである。
責めるとしたら、この衛星打ち上げ行為が他国に害を及ぼしている部分においてである。
今回は北朝鮮は衛星打ち上げの予告をした。これだけでも進歩であるし、打ち上げの結果についても公表した。どこに問題があるのだろう。確かに無数の衛星が世界各国から衛星軌道に打ち上げられて、地球周辺はその残骸で混雑している状態ではあるが、これは北朝鮮の問題ではなく、北朝鮮はまだ一基も衛星を周回軌道に揚げていない。まだ開発は始まったばかりである。先進国が後発の後進国を責めるのは間違っていると思う。
衛星も核兵器も世界各国統一の厳格なルールがない。
このルール作りをすることが最優先であろう。このルールはすでに衛星や核兵器を保有する国々にも制限を課すものである。このまま放置したら、地球はとんでもないことになる。その未来は目に見えている。しかし、誰も対策をする者がいない状況である。地球環境破壊も同じであるが、利便性を手に入れた者はそれを手放そうとしない。圧倒的な力を保有した者はそれを持ち続けようとする。
いつまでたっても問題は解決しない。
問題を解決するためには、利便性もある程度放棄して、圧倒的な力の保持を制限すべきであり、そのルールを作り上げていかなければならないと思う。先進国も後進国も対等の立場で、地球の将来について語り合わなければならない。先進国と後進国の戦いでもないし、競争でもないし、縄張り争いでもない。何が地球の平和のために有用であるかを模索するのである。当然金儲けでもない。
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