オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

「おもてなし」とは何だろう。

2019年07月22日 | Weblog
東京オリンピックが近づいているが、

 オリンピックの誘致合戦で日本は「オ・モ・テ・ナ・シ」を前面に出して勝ち取った。その頃から思っていたが、「おもてなし」とはいったい何だろうとずっと疑問に思っていた。「おもてなしの心」とは言うが、何のことだか具体的に理解できない。言葉だけがあって、中身は杳として解らないし、使っている人達も解っているのか疑わしい。いかにも日本人的で、曖昧で抽象的な心理世界の現象であるようだ。

「おもてなし」は「以って為す」だと理解している。

 昔、重要な客人を接待するときに家の主人が使用人にどのような接待をするかを書面にして、その最後に「以って為す」と記したということで、そのような丁重な接待を「もてなしを受ける」ということから「おもてなし」となったと理解している。「おもてなし」のためには、どのように接待するかの明確なやるべきことを示す必要がある。現在で言えば、お店のお品書きメニューの最後に「以上」と書くようなもので、あらかじめメニューは明確に決まっているのである。

「おもてなし」の相手は客人である。

 客人はお土産くらいは持参するだろうが、基本的には手ぶらでやってくる。家の主人はほとんど無償奉仕で客人を接待するのである。「おもてなし」は本来は無償奉仕なのである。「おもてなし」をして客に金銭を要求したのでは「おもてなし」にならない。これは商売である。オリンピックに向けて外国のお客様を「おもてなしの心」で歓待しようと言うことは、日本国民に無償の奉仕をしなさいと言うことなのだろうか?

「おもてなし」を受ける客人と家の主人の関係は当然親密である。

 赤の他人を丁重に「おもてなし」するわけがない。そして、過去にはお互いに接待し接待される関係であったのだろう。親密な人間関係を維持するための「おもてなし」である。京都には「一見さんお断り」と言うお店がある。これは「おもてなし」を行う上で必要なことでもある。氏素性のわからない人を「おもてなし」するわけにはいかないのである。果たして東京オリンピックでどんな「おもてなし」をしろと言うのだろう。

「おもてなし」と「親切」は別である。

 「親切」にはそれほど費用がかからない。と言うか、費用がかからない程度の心遣いが「親切」でもある。初対面の人に対しては「親切」で十分である。なにも過大な「おもてなし」をする必要もない。日本人の親切心は諸外国に比べて群を抜いて優秀である。日本を訪れる外国人旅行者は日本人の親切心に触れて感動して帰ってゆく。ちょっとした親切心こそが重要ではないか。求められるのは「親切心」である。

「親切心」ではインパクトがない。

 だから「オ・モ・テ・ナ・シ」を持ち出したんだろうが、外国人には意味が解らないだろう。日本人は「サービス」を無償無料だと思っているが、本来の「Service」は商品である。公共サービスや宗教上のサービスはあるけれども、これは無償無料と言う意味ではなく、奉仕する、仕えるという意味である。日本で言う「サービス」は「Service for free」または「Service for no charge」と言うべきだと思う。

日本人のこの「サービス」は外国人には奇異に映る。

 飲み放題、食べ放題、無料サービス、無料配布、無料提供、試食サービス等である。無料であるなら、本来はやりたい放題だが、日本人の常識的な国民性がこれを支えている。ティッシュペーパーの無料配布で大量のティッシュをもらう人や試供品や試食を大量に持ち去る人を責める人がいるが、本来は何も文句は言えない。「サービス」をタダにするから日本人の古来の常識から外れる人には当然の行為となってしまう。

「おもてなし」はその内容を明確にしなければならない。

 東京オリンピックに向けていろいろな事業を立ち上げて準備が進んでゆくと思うが、国として「おもてなし」の内容を明確にすることが大事であって、日本国民に向かって「おもてなしの心で外国の人達を歓待しましょう」と言ってもあまり意味がない。輸送手段であり宿泊施設であり安全・安心であり、快適な環境であり、利便性であり、円滑なオリンピックの運営などである。そして、最後にきっぱりと「以って為す」と自信をもって言えるくらいにしたいものである。日本国民は本来の親切心で来日した外国人に接すれば十分だと思う。最後に、東京オリンピックを金儲け目的だけにするのはどう考えてもいただけない。

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