いつも不思議に思っていることがある。
飛行機に乗る時、携帯電話及び電子機器の使用がすべて禁止となる。その理由は航空機の機器に影響を与える恐れがあるということだ。このアナウンスを聞く度に「航空機とはそんなにも繊細で脆弱なものなのか、こんな不安定な機器で安全に飛べるのか」と不安感が増大する。そして、少々の妨害電波でも影響を受けないような安全性の高い電子機器を開発すべきだと思う。たとえ乗客から電波の発信源をなくしたとしても自然の静電気や雷から発する雑音は避けようがないし、微弱ではなく強力な電磁波を発生することもある。
万が一に対する対策かもしれないが、
どうにも納得が行かない。極端なことを言えば、携帯電話の電波が原因で航空機が墜落する恐れがある、と言う事をまじめにアナウンスしていることになる。そんな危なっかしい航空機にはちょっと乗る気がしない。携帯電話がハイジャックの凶器になるという笑い話でもある。「要求を聞かないと携帯電話のスイッチを入れるぞ!」と脅迫されてビクビクする乗務員の姿は滑稽であり漫画である。現実に携帯電話を改造して強力な妨害電波発生装置を作ることもできそうだ。そうであれば搭乗前にすべての電子機器を没収しなければならなくなる。そこまでやるのなら納得できそうだ。
電車内での携帯電話の使用制限も不思議である。
理由は心臓のペースメーカーに影響を及ぼす恐れがあるという。これまた、そんな信頼性の低いペースメーカーは使い物にならないし、そんな機器に生命を預けるわけにはいかない。そんなに携帯電話の電波が強烈であるなら、健康な人への身体への影響もあるはずである。ひところ騒がれたがこの頃では全く鳴りを潜めて誰も騒がなくなった。本当は生体に対する電磁波の影響はすべて解明されたわけではないし、全く影響がないとは言い切れない。人体では微弱な電流が様々な機能をコントロールしているのは周知の事実である。
ペースメーカーに悪影響を及ぼすというが、
そんな事例や事故は一度も聞いたことがない。結局はガセネタだったのかなぁなんて思う。この頃の車内アナウンスではさすがにペースメーカー云々はなくなって、他のお客様の迷惑になるとしか言わない。しかも通話はだめだがメールはOKということらしい。電源を入れてれば携帯電話は通話の有無にかかわらず電波を発している。ペースメーカーを装着している人は危なくて電車には乗れないし、街中に出ることもできない。果たしてそうなんだろうかと疑問に思ってしまうし、本当にそうであればもっと徹底した対策が必要だと思う。中途半端でいい加減な対応だけで許されるはずはない。
こんなことは誰が言い始めたんだろう。
しかも、根拠が明確ではない。いつの間にか誰かが言い始めて、右に倣えでそれが動かせない事実となる。よく考えてみるとなんかおかしい。そしてその内容は徐々に変質して行って、場合によっては二転三転する。その節操のなさに対してまた文句を言う人がいっぱい出てきて収拾がつかなくなる。そんなことを身の回りでたくさん目にすることが多い。どうして一貫したひとつの考え方を持ち続けることができないんだろう。優柔不断で周囲にあわせて周囲の意見に振り回され周囲の顔色を窺いながら節操なく考え方を変えてしまう人達ばかりである。頑固な父性を失った社会の惨めさをつくづく感じるこの頃である。
何となく気分で禁止するのは多数の暴力だと思う剛健でした。