オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

脳死が人の死?

2009年06月20日 | Weblog

何故脳死を人の死としなければならないかを考えてみる必要がある。

 脳死の段階で「人の死」である事が要求される。そうでないと臓器の移植手術ができない。心臓を取り出したら人は完全に死ぬ。「人の死」を法律的に認めない前に心臓移植手術をしたら、その医者は殺人犯人になってしまう。結局は脳死を人の死と定義するのは臓器移植を可能にするための前提に過ぎない。そのために「脳死は人の死」と法律で決めてしまうのは乱暴だと思う。少なくとも多数決で決められるものではない。

これからは脳死の人は「死人」として扱われる。

 脳死の人の生存権が奪われるのである。こちらのほうが問題だと思う。脳死の状態でも生きていたいという人も大勢いるだろうし、脳死の状態でも生かしたやりたいという人達も大勢いるだろう。脳死の状態で生きてもいいではないか。少なくとも生きるか死ぬかの選択権は個人に帰結するし、法律で一方的に選択権を奪うことはできないと思う。そして、本当に脳死が人の死であるかは誰にも解らないし断定できないのである。その意味で脳死状態から生き返った人の体験談が聞きたいところだが、そんな情報はあまり公表されていないし、議論される事もない。もっと議論を尽くすべきであろう。

要は「脳死が人の死」と「死後の臓器移植」を許諾する人と拒否する人がいても良いと思う。

 自分の死(脳死)を捧げてでも尊い命を助けたいという人は、脳死状態での臓器移植を認め、本人の同意があれば、脳死状態で臓器移植手術が許されることとすればいい。そして臓器移植をした本人は尊い命を捧げた人として偉業をたたえる事になる。臓器移植を受けた人はプライバシーを厳格に保護されるだろうが、臓器提供した人は人命救済に命を捧げた人達と同等以上にその偉大な業績をたたえなければならないと思う。反対に臓器提供を拒否する人に対してもその意思を尊重すべきである。人の死を「脳死」とするか「心臓死」とするか「完全死」とするかは、基本的には死ぬ人の死ぬ権利であり死ぬ権利は自由なはずである。

何故決めつけた議論しかできないんだろう。

 例え「脳死が人の死」と決めた場合でも、脳死状態で生きる人の権利を認めてやらなければならないし、脳死状態で完全死する権利も認めてやらなければならない。できれば生前の本人の意思が最優先されるだろうが、本人の意思が確認できない場合は家族の意思も尊重されるべきだろう。本人の意思に関係なく「脳死」と判定されたら本人が「死亡」したと扱われることに家族の同意があったにしても当人にとっては大いなる反感がある。そうなると「人の死」が「脳死」「心臓死」「完全死」など数種類存在することとなり、法律上はたぶん混乱するのであろう。そうであれば、「人の死」をどちらかに定義しなければならないが、どう考えても従来どおりの「完全死」が人の死であろうと思うし、「脳死」には曖昧な部分が入り込んでしまう。

人の死は法律上は「完全死」とし、「脳死」状態での臓器移植が可能なような法律を制定すればいい。

 脳死→臓器移植→完全死の場合と、脳死→完全死の場合があってもいいではないか。もしかしたら脳死→一部臓器移植→復活、脳死→一部臓器移植→完全死もあるかもしれないし、脳死→完全死→臓器移植もあるだろうし、当然脳死からの復活もある。勝手な事を個人的な意見で書き綴っているが、医学的な「脳死」をいくら定義しても、個人的な意識としての「脳死」が実感できない。当然のことではあるが、その不明な部分を政治の場の多数決で決定してしまって果たしていいのだろうか・・・。たぶん、多数決をとれば「脳死」状態の人は稀であるので、多数決には負けるだろうが、どう考えてもこの多数決の結果が真実だとは思えない。

「脳死を人の死」として臓器移植を促進するよりも、

 脳死状態でも人のために貢献する事が可能なこと、献身的に人のために尽くすことの大切さ、人の命を尊重する事の重要さ、そして命を捧げて臓器を提供した人達の偉業をたたえること、などの意識改革をもっとやるべきだと思う。あまりにも密室の出来事として情報公開されることもないために、実態が明らかでなく、抽象的な議論や医学的な議論ばかりが先行している気がする。現段階ではこれまで通り本人意思に基づく脳死状態での臓器提供が可能なように法律を制定すべきで、法律で「脳死を人の死」と定義することではないと思う。

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