『仇討崇禅寺馬場』(1957)マキノ雅弘
いやはや、これは何とも陰惨な話でしたよ。
明るい豪快キャラの大友柳太朗ではありません。
千原しのぶ演じる「お勝」がバカ女過ぎて、映画館で叫びそうになった。
「お前のせいで全部台無しだろうが!少しは考えろ!」って。
敵持ちの大友柳太朗が、正々堂々と果たし合いをしようとするところに、勝手にやって来て頼まれてもいないのに助太刀。
大勢で相手2人をなぶり殺しにしてしまう。
自分が斬るべき相手を殺されてしまい、生きる意味をなくしてついには気がふれる大友柳太朗。
今で言うメンヘラの千原しのぶは全く悪いことをしたと思っていない。
自分の感情=正義なのだ。
そして最後は大友柳太朗に斬られながらもピストルで大友柳太朗を射ち、2人して死ぬのだった。
気がふれてからの大友柳太朗の演技が凄い。
目つきとか本当に怖いし、最後高笑いしながらバッサバッサと刀を振り回す姿は、大友柳太朗にしかできない迫力である。
まあちょっと後味悪い映画でしたね。
同じ大友柳太朗でも【江戸の悪太郎】とはエラい違いだ。