~世界各地で始まる「ミニ・トランプ」の暴走~
伊勢志摩サミットが5月26日、G7の「協調」をアピールして開幕した。
だが、各国が足並みを揃えられるのは、今回が最後になるかもしれない。
米大統領選で共和党のトランプ候補が躍進しているのをはじめ、
世界で「自国優先主義」が勢いを増しているからだ。
1975年、フランスのランブイエから始まったサミットの時代は、
一言で言えば「協調の時代」だった。
石油ショック(73年)への対応を話し合うために集まった首脳たちは、
それぞれの国益をひとまず横へ置いても、
結束して景気をテコ入れする必要に迫られた。
その後、冷戦が終結し91年にソ連が崩壊すると、
旧ソ連圏諸国の民主主義的移行を後押しするために、
94年からロシアが政治討議に参加する。
それからしばらくは世界がユーフォリア(幸福感に満ちた楽観主義)
に包まれた時代だった。
ところが、そのロシアは2014年3月にクリミア半島に侵攻する。
その結果、同年6月にロシアのソチで開かれるはずだったサミットは中止され、
代わりにブリュッセルで開かれたサミットで
ロシアの除名を決めて現在に至っている。
G7各国はロシアのクリミア侵攻を一致して非難したが、
世界を見渡すと、
残念ながら事態は改善するどころか悪化の一途を辿っている。
中国は尖閣諸島を脅かす一方、
東シナ海の上空を「防空識別圏」と称して縄張り化を目論んだ。
南シナ海では次々と人工島を建設し、軍事要塞化を進めている。
中ロの無法はテロリストに伝染して、
中東では「イスラム国」が暴虐の限りを尽くしている。
米大統領選でトランプ候補が健闘したり、
フランス地方選でル・ペン党首率いる右翼の国民戦線が躍進したのは、
中ロやテロリストたちの無法が広がっているのと裏腹の関係にあるとみていい。
テロリストが難民に混じって欧州に浸透している。
その恐怖が「国境の壁を高くして国を守ろう」
という主張に共感しているのだ。
-略ー
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48769?page=3
-現代ビジネス-
伊勢志摩サミットが終わり、
オバマ大統領が広島訪問を果たし、
歴史に残る熱い一日が終わった。
間違いなく日本史の年表に載る一日となった。
しかし明るい希望の日の終焉にもなりそうだ。
今回掲載した記事は4ページにわたるウェブニュース。
あまりに長いので、最初の1ページのみ転用し、
残りは省いてしまった。
気になる方は、直接開いて読んでみることをお勧めする。
要するに世界は自国中心主義に走り、
「他の国がどうなっても、私は知りませんよ。」
というスタンスに変貌すると云う事だ。
中露の暴走に対する対抗策を見いだせない苛立ち。
更に北朝鮮の核武装や、ISISの相次ぐテロ行為。
押し寄せる移民に悲鳴を上げ、
アメリカもヨーロッパ諸国も、対外無力感と
自国優先主義(利己主義)が漂い、
次第に深く根を張りつつある。
記事の中にはアメリカのトランプ主義の他
イギリスのEU離脱危機問題や、
オーストリア極右の大統領候補による大善戦、
しいてはフランスでの同じく右翼勢力の代表
ル・ペン党首が出馬するとみられている
来年のフランス大統領選における台頭の予想が挙げられている。
もうそうした自国中心主義の潮流は始まっているのだ。
別のウェブニュースでも、
今回のサミットの中心話題は、トランプに尽きると報じている。
次回以降、サミットは様変わりする事態を
各国首脳は肌で感じ、避けられないと思っているようだ。
何だかそうした今の国際情勢は、
まるで第2次世界大戦前夜のように思えてくる。
アメリカがニューディール政策で内向きになり、
イギリス・フランスがブロック経済を敷き、
日本・ドイツ・イタリアにファシズムが台頭した時代。
それぞれの国が自分のことしか考えなくなると、
どんな悲劇が待っているか?
人類は教訓を学んだハズである。
そして日本も学んだ。
『八紘一宇』を掲げ、アジアの開放を謳ったが、
ABCD包囲陣を武力で突破するという危険な冒険を選択し
その後の悲劇を生んだ。
そもそも日中戦争自体進むべき道ではなかった。
多大な犠牲を払い、貴重な教訓を得た事により、
ようやく平和主義国家に生まれ変わることができた。
そしてそうした反省を踏まえ、
国際協調を第一に据え、多大な努力を積み重ねることにより
多くの国から信頼を勝ち得ることができた。
この暗雲立ち込める流れの中、他の国々が自国中心に回帰しつつあるが、
日本はどうなのか?
今日の記事の省略した部分に
日本の立場と今後取り組むべき方向に触れているが、
「日本は自国優先主義ではやっていけない。
国土が25倍、人口は10倍、国内総生産は2倍、軍事力は4倍の
「中国という脅威」を隣に抱えて、自国だけでは対抗できないのだ。」
と述べている。
無理に対抗しようとしても、
軍事力増強に異常なほど予算をつぎ込み、
とてつもない軍事国家を目指すことになるが、
自前の資源が乏しく、南沙諸島と云うシーレーンの楔を打ち込まれたら
日本に勝ち目はない。
つまり日本は国際協調路線以外、生き残る術はないのだ。
台湾に始まり、ベトナムやフィリピン、
インドネシアやマレーシア、オーストラリアなど、
アメリカ以外の周辺諸国とも強力な同盟を構築しなければ、
日本の安全保障は極めて危うい状況に陥ることになる。
幸いそれらの国々は、親日国ばかりであり、
微かな希望は残るが、
どの国も中国の恫喝を跳ね返せるか疑わしい。
そういった意味でも次回以降のサミット参加国や
ASEAN諸国とのトップによる首脳外交が
日本の死命を制すると云って過言ではないと思う。
安倍政権は、国内の政治ばかりにかまけていてはいられないのだ。
それにしても・・・・。
どうしても日本の内閣総理大臣という職務は
国会などの内政に
大きなウェートをとられるような仕組みになっているが、
その辺も変えてゆき、
トップ外交に強い日本に変貌させなければならないと思う。
サミットは日本国内では大騒ぎされるが、
頻繁に行われている首脳外交の一部に過ぎない現実を知っておくべきだ。
ただ日本だけが内政にかまけ、その結果疎外されていることになる。
こんなお祭り騒ぎの騒動を
他の参加各国の国民たちはどう思っているのか?
そういう視点からの反省も
もうそろそろしても良いだろう。
分かってはいたが、サミットの様子など、逐一報道されると
ついそのお祭り騒ぎに乗せられてしまうオヤジが一句。
トランプは お祭り騒ぎは 嫌いかな?
お粗末。
伊勢志摩サミットが5月26日、G7の「協調」をアピールして開幕した。
だが、各国が足並みを揃えられるのは、今回が最後になるかもしれない。
米大統領選で共和党のトランプ候補が躍進しているのをはじめ、
世界で「自国優先主義」が勢いを増しているからだ。
1975年、フランスのランブイエから始まったサミットの時代は、
一言で言えば「協調の時代」だった。
石油ショック(73年)への対応を話し合うために集まった首脳たちは、
それぞれの国益をひとまず横へ置いても、
結束して景気をテコ入れする必要に迫られた。
その後、冷戦が終結し91年にソ連が崩壊すると、
旧ソ連圏諸国の民主主義的移行を後押しするために、
94年からロシアが政治討議に参加する。
それからしばらくは世界がユーフォリア(幸福感に満ちた楽観主義)
に包まれた時代だった。
ところが、そのロシアは2014年3月にクリミア半島に侵攻する。
その結果、同年6月にロシアのソチで開かれるはずだったサミットは中止され、
代わりにブリュッセルで開かれたサミットで
ロシアの除名を決めて現在に至っている。
G7各国はロシアのクリミア侵攻を一致して非難したが、
世界を見渡すと、
残念ながら事態は改善するどころか悪化の一途を辿っている。
中国は尖閣諸島を脅かす一方、
東シナ海の上空を「防空識別圏」と称して縄張り化を目論んだ。
南シナ海では次々と人工島を建設し、軍事要塞化を進めている。
中ロの無法はテロリストに伝染して、
中東では「イスラム国」が暴虐の限りを尽くしている。
米大統領選でトランプ候補が健闘したり、
フランス地方選でル・ペン党首率いる右翼の国民戦線が躍進したのは、
中ロやテロリストたちの無法が広がっているのと裏腹の関係にあるとみていい。
テロリストが難民に混じって欧州に浸透している。
その恐怖が「国境の壁を高くして国を守ろう」
という主張に共感しているのだ。
-略ー
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48769?page=3
-現代ビジネス-
伊勢志摩サミットが終わり、
オバマ大統領が広島訪問を果たし、
歴史に残る熱い一日が終わった。
間違いなく日本史の年表に載る一日となった。
しかし明るい希望の日の終焉にもなりそうだ。
今回掲載した記事は4ページにわたるウェブニュース。
あまりに長いので、最初の1ページのみ転用し、
残りは省いてしまった。
気になる方は、直接開いて読んでみることをお勧めする。
要するに世界は自国中心主義に走り、
「他の国がどうなっても、私は知りませんよ。」
というスタンスに変貌すると云う事だ。
中露の暴走に対する対抗策を見いだせない苛立ち。
更に北朝鮮の核武装や、ISISの相次ぐテロ行為。
押し寄せる移民に悲鳴を上げ、
アメリカもヨーロッパ諸国も、対外無力感と
自国優先主義(利己主義)が漂い、
次第に深く根を張りつつある。
記事の中にはアメリカのトランプ主義の他
イギリスのEU離脱危機問題や、
オーストリア極右の大統領候補による大善戦、
しいてはフランスでの同じく右翼勢力の代表
ル・ペン党首が出馬するとみられている
来年のフランス大統領選における台頭の予想が挙げられている。
もうそうした自国中心主義の潮流は始まっているのだ。
別のウェブニュースでも、
今回のサミットの中心話題は、トランプに尽きると報じている。
次回以降、サミットは様変わりする事態を
各国首脳は肌で感じ、避けられないと思っているようだ。
何だかそうした今の国際情勢は、
まるで第2次世界大戦前夜のように思えてくる。
アメリカがニューディール政策で内向きになり、
イギリス・フランスがブロック経済を敷き、
日本・ドイツ・イタリアにファシズムが台頭した時代。
それぞれの国が自分のことしか考えなくなると、
どんな悲劇が待っているか?
人類は教訓を学んだハズである。
そして日本も学んだ。
『八紘一宇』を掲げ、アジアの開放を謳ったが、
ABCD包囲陣を武力で突破するという危険な冒険を選択し
その後の悲劇を生んだ。
そもそも日中戦争自体進むべき道ではなかった。
多大な犠牲を払い、貴重な教訓を得た事により、
ようやく平和主義国家に生まれ変わることができた。
そしてそうした反省を踏まえ、
国際協調を第一に据え、多大な努力を積み重ねることにより
多くの国から信頼を勝ち得ることができた。
この暗雲立ち込める流れの中、他の国々が自国中心に回帰しつつあるが、
日本はどうなのか?
今日の記事の省略した部分に
日本の立場と今後取り組むべき方向に触れているが、
「日本は自国優先主義ではやっていけない。
国土が25倍、人口は10倍、国内総生産は2倍、軍事力は4倍の
「中国という脅威」を隣に抱えて、自国だけでは対抗できないのだ。」
と述べている。
無理に対抗しようとしても、
軍事力増強に異常なほど予算をつぎ込み、
とてつもない軍事国家を目指すことになるが、
自前の資源が乏しく、南沙諸島と云うシーレーンの楔を打ち込まれたら
日本に勝ち目はない。
つまり日本は国際協調路線以外、生き残る術はないのだ。
台湾に始まり、ベトナムやフィリピン、
インドネシアやマレーシア、オーストラリアなど、
アメリカ以外の周辺諸国とも強力な同盟を構築しなければ、
日本の安全保障は極めて危うい状況に陥ることになる。
幸いそれらの国々は、親日国ばかりであり、
微かな希望は残るが、
どの国も中国の恫喝を跳ね返せるか疑わしい。
そういった意味でも次回以降のサミット参加国や
ASEAN諸国とのトップによる首脳外交が
日本の死命を制すると云って過言ではないと思う。
安倍政権は、国内の政治ばかりにかまけていてはいられないのだ。
それにしても・・・・。
どうしても日本の内閣総理大臣という職務は
国会などの内政に
大きなウェートをとられるような仕組みになっているが、
その辺も変えてゆき、
トップ外交に強い日本に変貌させなければならないと思う。
サミットは日本国内では大騒ぎされるが、
頻繁に行われている首脳外交の一部に過ぎない現実を知っておくべきだ。
ただ日本だけが内政にかまけ、その結果疎外されていることになる。
こんなお祭り騒ぎの騒動を
他の参加各国の国民たちはどう思っているのか?
そういう視点からの反省も
もうそろそろしても良いだろう。
分かってはいたが、サミットの様子など、逐一報道されると
ついそのお祭り騒ぎに乗せられてしまうオヤジが一句。
トランプは お祭り騒ぎは 嫌いかな?
お粗末。