夜の翼

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BABYMETAL -LEGEND METAL GALAXY レビュー

2020-11-03 09:10:36 | 音楽


BABYMETALのデロ、もとい映像作品はだいぶというか全て持っているが、
リリースをこれほど心待ちにしたのは初めてかもしれない。
もちろんWOWOWは再加入して見た。
何曲かカットされていたものの、アンコールのRORとIDZが放送されるとはなんと太っ腹。
コロナのせいか、最近はかなりサービスがよくなっている。
そして、THE ONE限定も含めると今年になってなんと5作目の映像作品。
海外のThe Forumはともかく、国内公演は全て行っている!と言いたいところだが、
泊まったにもかかわらず幕張2日目を見逃したという痛恨の失態。
通常は映像作品の感想は書かないのだが、ライブは見ていない幕張DAY2がとにかく見たかった。
The Forumが一般発売ありだったので、まさかとは思っていたが幕張も一般発売あり!
しかも武道館以来のライブアルバムも一般発売になった。
いや、もちろん買いましたよ、THE ONE限定盤。
正直写真集は1回以上見ることはないのだが、The Forumの方を通常版にしてしまったので、
今回は、この作品ならば THE ONE限定盤しかないでしょ!

DAY-1
1月24日ライブには参加したのだが、正直見るところが多すぎて全体像を把握しきれていないところがあったので、プロショットで改めて確認。
ライブとその映像作品とは別物と理解しているが、今回は映像にする甲斐があるライブ演出だったと思う。
映像作品の演出としても、以前とは違って引きの映像が少なくなり、クローズアップを多用して、カット割りが細かくなっている。
以前はライブの雰囲気をそのまま伝えようとする感じだったが、最近は映像作品としてどう見せるかという感じになっている。
しかし、映像作品を見て改め感じるのは、あのバカでかいLEDディスプレイの存在感。
カメラだと正面、または引きの画になってしまうので、本当の大きさはなかなか伝わりきらない感じがするが、
超モッシュのフロアからはステージを見上げる形になるので、圧倒的すぎる迫力だった。
あまりにも大きすぎるので、視野に収まりきらず、ディスプレイばかり見てしまい、肝腎のBABYMETAL御本体をあまり見ていなかったことに改めて気づく。

それを一番感じたのは「Oh!MAJINAI」。
ライブの時は、巨大ヨアキムのインパクトの強さにやられてしまって、3人のダンスをちっとも見てなかった。
プロショットで映し出されたダンスは、クラッシックバレイ、アイリッシュダンス、コサックダンスまで取り入れたコミカルなもの。
その動きもさることながら、踊っている時の3人の笑顔だよ。
この笑顔をアップでみられるのが映像作品の特権。

そして「Brand New Day」。
アンコールを除けば、この日のハイライトはこの曲だというのを再確認した。
巨大ディスプレイの映像と陰の動きの対比という演出がこの曲には合っている。
現場では若干の目いっぱい感があったSU-METALのボーカルも音源で確認するとそんなことは全くなく、
余裕すら感じられライブ初披露とは思えない。

さらにWall of Deathに巻き込まれないように必死でほとんどステージをまともに見ていなかった「Road of Resistance」。
5人が旗持って登場するシーンは、単純にカッコいい。
ああ、現場では間違いなく見ていない。
バックのディスプレイに大写しになっているのに、なんてもったいないことをした。
そんななかでもオープニングで歌っていた自分だが、映像で見るとかなりの大合唱になっている。
海外ライブではほぼ定番になっているが、国内ではオープニングでのメイトがみんなで歌うのは割と最近かな。
これからは定番になってほしい。
旗を持つSU-METALの表情の凛々しいこと。
現場ではお祭り感がすごかったが、映像からもその感じが十分伝わってくる。
現場では全くといっていいほど画面には映らなかった東の神バンドの面々の楽しそうなこと。
映像作品はあの日の感情を鮮やかにしてくれる。

DAY-2
映像作品としてはこちらがメインですよ。
なんてったって現場行っていないんですから。
もうオープニングに映像を見た時点で、行かなかったことを激しく後悔。
なんですかこのカッコいいオープニングは。もしかすると過去最高じゃないですか。
キツネ様の曼陀羅の作り込みが半端じゃない。
ロゴも通常のクラッシュロゴではなく、梵字風のロゴになっており、この時点で禍々しさ満点。
そして1曲目は「In The Name of」。
仮面を被って5人で登場。
広島のLegend-S以来、この曲にはちょっとトラウマがあったのだが、それを吹っ飛ばす演出。
映像見ているだけで曲の後半はちょっとトランス状態っぽくなったので、現場にいたら記憶が飛んだかもしれない。

2曲目は「Distortion」。
黒と赤の照明。ダークサイド感がすごい。
この曲に関しては、間奏部分での演出。
定番はSU-METALがBig Circleを客に要求するものだが、ついにSU-METALは一言も言葉を発することなく、
人差し指を下に向け、ゆっくりを円を描くその仕草とその表情、眼力だけでBig Circleを要求してしまった。
この時映像作品を見て初めて鳥肌が立った。
そして、「Screeeeeeam!」の咆哮。
ああ、現場にいたらこの時点で完全に記憶飛んでるな。
この曲がライブで披露されてからしばらく経つが過去最高のDistortion。

大好きな「Kagerou」は洋神のソロ付き。
洋神がソロ付きなら、DAY1も和神のソロも久しぶりに見たかったぞ。
神バンドソロからシームレスに曲に入っていくのはBABYMETALのライブの醍醐味だもの。
この重いビートは洋神の方がいいかな。
極めて歌謡曲的なメロディーとバックのヘビーさ。大人になったSU-METALの現在地。
ダークサイドの時はSU-METALのソロ曲として披露されていたが、3人体制の方がしっくりくる。

そこから待ってましたの「B×M×C」。
DAY2を見ていないため、ヨーロッパツアーのファンカムを見まくっていたのでそれほどの新鮮さはないかと思っていたが、
さすがプロショット、映像効果もあって段違いの仕上がり。
ライブでの披露が渇望されていた曲ということもあり、メイトの歓声が一段と大きい。
SU-METALのラップはばっちり決まってカッコいい。

光の三部作と呼ばれている「Starlight」、「Shine」、そして「Arkadia」だが、3曲続きのプロショットは初めて。
DA1でも巨大すぎるディスプレイを効果的に使っていたが、この日一番うまく使っていたのはこの三部作だと思う。
Legend-Mの「Shine」がSU-METALとMOAMETALふたりだけでの特別な演出だったのに対して、
3人構成は普遍的なというかアルバムのコンセプトにふさわしい宇宙的な印象がする。
浮遊感、ダンスではなく「舞う」という表現がぴったり。
この3曲を任されたアベンジャーは鞘師里保。他の2人もそれぞれの良さがあるのだが、
光の三部作は彼女しかないかもしれない。ダイナミックさと繊細さの両立。
そこからの「Arkadia」。「Starlight」からの流れて聴くとやはり格別だ。
BABYMETALを好きでい続けて本当に良かったと思わせてくれる。
そして、現場にいられなかったこと後悔せざるを得ない。

アンコールはDAY1に続き13人構成でしたね。
曲は、ああ予想が当たってしまった「IDZ」。
この曲が最後に披露されたのは広島。二人だけ、いや一人が欠けたIDZ。
あのイントロのMOAMETALひとりだけのダッシュが切なすぎて直視できなかったIDZ。
YUIMETALのスクリームをメイトが全力で合唱していたIDZ。
そして、一人分のセリフが聞こえてこなかったIDZ。
あれを生で体験しているので、ベビメタの代表曲のひとつであるにもかかわらずすっかりトラウマになってしまったIDZ。
そんなこともあり広島以来この曲はライブで披露されることはなかったが、満を持してこの幕張で披露された。
そうだね、この曲を演るなら3人じゃなく、5人でやるのがいいのかもね。
IDZの紙芝居が始まった時の会場の歓声がものすごい。その歓声がやまない。
もうこの曲は演らないでのはないか、そう思っていたメイトも多いのではないか。
この日解かれた「封印」はこれだった。
花道は左右に2本なので、左右に2人ずつのクラウチングスタート。
しかし、SU-METAL以外の4人は花道のどこから現れたのか?
スクリームはMOAMETALだけだが、合唱するメイトに悲壮感はない。みんな本当に楽しんでいるのが伝わってくる。
そしてセリフの部分。5人分しっかりありましたよ。広島のあの空白、静寂、虚無を埋めるのは、3人のアベンジャーズ。
5人の輝く笑顔で新生BABYMETALの集大成といえる2日間は幕を閉じた。
ただ、ひとことだけ言って置きたい。
IDZのラストで5人揃って恒例のジャンプ。
「Distortion」でもはや一言も発さずとも、不敵な笑みを浮かべるだけでサークルを作らせてしまうようになったSU-METAL様。
ここにきて、最後にですよ、両手を上に突き上げて、内股で膝下を曲げる女の子ジャンプするなんていい加減にしてくれと言いたい。
ギャップで萌えすぎて死んでしまうだろ。
このシーンが個人的ハイライトだったりする。

ライブアルバムもしっかりチェック。
まず、気づいたのはSU-METALのボーカル音像が今まで一番遠い位置に定位している。
間接音というか反射音がかなり多めで、ライブ感を強調したセッティング。
今までこれをやってしまうとバックの音に埋もれてしまってクレーム必死だと思うが、
今回これができたのは、バスドラとベースの低音を出す楽器の分離が過去最高にいい。
音圧とクリアさが両立しており、聴いていて非常に気持ちがいい。
エンジニアが変わったのか、映像と同様今回の音の仕上げはこれまでとかなり異なっている。
それなりの環境で聴けば今回の仕上げの方が好ましいと思うが、
再生環境の差がはっきりと出てしまうかもしれない。

今回神バンドがDAY1とDAY2で異なる。
神バンドの音の差というのもこのライブアルバムの聴きどころであるが、
しっかりとその違いを堪能できる。
完成度、調和度というところではさすが東の神。盤石である。
ギミチョコの間奏のギターの音が変わっていて、かなり低くチューニングされてる。
たぶんBABYMETALで一番聴いている曲の一つだが、ここまでの大幅サウンドチェンジは初めてではないか。
WOWOWで初めて聴いたときは、ヘッドフォンが壊れたかと思ったくらいだ。
定番の曲での試みがこの幕張で披露されるというところにこのライブの意義が感じられる。
べヴィーなグルーブを要求されるKARATE、、Kagerou、BxMxCみたいな曲は西の神に分がある。
西の神の神バンドとしてまとまりは、The Forumの時とは格段の差がある。
The Forumの時と比べてバンドの音、特にギターの音が東の神に似てきた気がする。
神バンドとしてのライブでのノウハウを東の神から西の神へ伝授する目的が
このライブにはあったと勝手に思っているが、ライブのノウハウだけでなく
ギターのセッティングデータ自体が西の神に渡っていたとしてもおかしくはない。
こうして東の神と西の神を比較してみると、改めて東の神のすごさを感じる。
特にドラム、Brand New DayなどSU-METALの歌に寄りそうドラムの真骨頂。
音響面も含めて、ライブアルバムとしても過去最高。

これまでは、おすすめのライブは聞かれて少々どれを勧めるか躊躇することがあったが、
これからは迷わず幕張。最新のBABYMETALが最高のBABYMETALだ。
ただ、もうすっかりお忘れの方もいるかもしれないが、
昨年秋の「METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN」の映像と音源がThe One限定で出ていたんですよね。
なぜかSSAと城ホールのミックスで。
もちろん入手しましたが、この盤の立場がすっかりなくなったような気もするが、東の神版のKagerouが聴けるからまあいいか。

今後これ以上のライブが期待できるのか心配になるほどの素晴らしい内容だが、
その杞憂を常にはねのけ、軽々と超えてくるのがBABYMETAL。
メイトが参加できるライブはまだまだ先になりそうだが、あのダークサイドの先が見えない暗闇に比べたらなんてことはない。
光に満ち溢れた未来がBABYMETALにはある。

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