殺された吉田寿子さんのご冥福を祈りたい。
片田舎で起きた殺人事件、しかも金銭がらみのトラブルらしきことまではっきりしていながら、犯人逮捕まで3年もの歳月を要してしまった。犯人は偽名を使うわけでも無く、大都市東京で新聞配達人としてまじめに暮らしていたという。子持ちの外国人女性と同居(結婚状態)していたことから、結構女たらしのくだらない男のように思える。
吉田さんは2億円もの宝くじに当たっていながら、家族には一切知らせていなかったという。どのような家庭環境なのか、家族構成なのか不明であるが、もしも家族の誰かに知らせていれば、失踪事件というより金目当ての殺人事件にもっと早くたどり着いていたように思えてならない。これも彼女の運命なのか、それだけで片付けてしまうにはあまりにも理不尽な事件である。
私の周りにも親兄弟よりも彼を信じていた女性がいた。表面的には、やさしく時には猫なで声まで出すような男であったが、ある日親兄弟から遠く離れた温泉地の近くへ引っ越していった。しかも彼には収入という収入も無く、年金ももらえるかどうかの人間だった。東京にほど近いところに持っていたマンションを売り払い数千万円は彼女のものとして持っていたはずである。
引っ越してまもなく、彼女は病に倒れてしまった。膠原病とのことであったが、実は肺がんであったように思える。ろくな治療もしないままに発病してからわずか数年で命を落としてしまった。葬儀もろくなものではなかったようだ。一切合財を彼の兄弟で分けたらしい。以後、彼女の身内には遺産のことも、法事のことも、何一つ連絡が途絶えてしまった。全くもって許せない男であった。こんな男は世にはいて捨てるほどいるのだ。ご用心、ご用心。
そんないやな男の所業を見ていたので、今回の事件は自ら殺人を犯したことを除けば、にたような出来事のように思えて仕方が無い。
どんな親でも、どんな兄弟でも、血は水より濃いというではないか。夫婦であっても所詮は他人である。血のつながりは無いのだ。血がつながっているのは、親子兄弟だけである。そんなことを言いたくなった事件である。
残された無念のご家族は、これから民事で犯人と戦えばいいと思う。そして彼が貢いだ先までいって、少しでも取り返してきて彼女の供養とすればいいと思うのだが。