大和浪漫

私、瓜亀仙人が奈良・大和路の社寺や自然、生活の様子などをお伝えしたいと思います。

「蛇穴」交差点

2010年05月27日 | 御所市・五條市
葛城山と金剛山が間近に見える奈良県御所(ごせ)市に「蛇穴(さらぎ)」という難読地名がある。
私には,なぜ「蛇穴」を「さらぎ」と読むのか分からなかった?
いつも,この「蛇穴」の交差点で信号待ちをしながら,そのことを考えていた。
調べたところ,
この「蛇穴」にある野口神社では、五月五日に「汁掛祭」・「蛇綱引き」が行われる。
祭典当日,三斗三升三合の味噌でワカメ汁を作り,参詣者に汁をかけ厄除を作法とする。
他方五月四日の午前から藁で蛇の頭を組み,五日に早朝から蛇の胴を作りあげる。体長約十四mにも成る。
汁掛作法が終ると,御神体を先頭に善男善女が村中の一軒一軒蛇綱をひき廻り,家々の邪気を払い、病除を祈願していくこうして巡行が終ると。神社の蛇塚に蛇綱をトグロに巻納め、行事が終了し、御神体を次番の頭屋に送られ祭がおわる。
神社社記によると、彦八井命の後胤・茨田の長者が河内の国よりこの地に住んでいた。
そこに一人の娘がいた。
その頃,茅原郷から葛城山に修行に日参する役の行者小角という人が居たが,修行の往復に村の筋街道を通るのが常であった。
いつしかその娘の恋の的になったが、行者は修行一途で応じることが無く,娘は女の一念から悪息をはきながら行者を呑み込もうと村の森の中にある「穴」にかくれた。
五月五日の田植え時で,村人が野良へ弁当をもって通りかかると、大蛇が火を吹いていた。
驚いて持っていた味噌汁を大蛇にぶっかけて逃げ帰った。
村人がきて見ると、大蛇が井戸の中に入ったので巨石で口をふさいだ。
その後娘の供養にと「汁掛祭」と「蛇綱ひき」が行われているという。
そのことを知ってから,「蛇穴」交差点での信号待ちが楽しくて・・・
※蛇がトグロを巻き丸くなっている状態を“サラキ”と呼ぶそうだ。また“サラギ”は「新来」と同義語とされる。
「写真;蛇穴交差点」



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