カフカ『田舎医者』 『カフカ小説全集4 変身』池内紀訳 白水社
カフカの短編『田舎医者』を読む。
文庫本の短編集に載っているので読んでいたはずだが、忘れていた。
以前読んだときは、どう考えたのであろうか。
短く簡単な分だが、難解だ。
カフカが『田舎医者』をしたためたころ、カフカは結核を患っていた。
その彼が、どういった気持ちでこの小説を書いたのか。
おそらく一気に書き上げられたであろう『田舎医者』
小説なのに、戯曲の香りがする。
自分なら、此処の場面をどう演出するかと考えると、非常に愉快な小説である。
医者の苦悩、非常り、身に降りかかった悪運を医者は苦笑しながらも運命と受け入れる。
「裸にしろ、裸にすれば治すだろう
裸にしても治さなければ、殺してしまえ!
〝ただの医者〟、おまえは〝ただの医者〟」
、、、、、、、、、、、、、
、、、、、、、、、、、、、
「よろこべ、おまえたちは患者さん
先生がベッドでともねしてくれた」
、、、、、、、、、、、、
(そして家に帰ると)
してやられた!してやられた!
なんといたたまれぬ不条理さ。
なんと哀れな田舎医者。