八島ビジターセンター

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シシウド

2007年08月06日 | Weblog
霧ケ峰で最も巨大な草、シシウドは今草原で最も目立っている花といえます。ビジターセンターでも、その名前、大きさ、花のつくりなどシシウドに関する話題はつきません。そんなシシウドをよく観察していると、たくさんの「なぜ」という素朴な疑問がわいてきます。その疑問が新たな疑問を生み、それにいくつかの仮説を思い浮かべるのは楽しいことです。

そもそも、なぜこんなにも大きくなる必要があるのか。その生産コストは利益と採算が合うのか。どうやってそれだけの大きな体を作るのか。独特な花の作りは昆虫の訪花と関係しているのか・・・。そして、花の色、生長期間、養分収支まで疑問が疑問を呼んでいきます。

その中で、幾つかの疑問にはすぐにもっともらしい仮説が浮かんできます。これは常識的に言われることですが、虫媒花における花の役割は昆虫に花粉を運んでもらうことにあります。そのため、何とかして昆虫の気を引く必要があるのですが、シシウドが大きな体にたくさんの小さな花を付けている訳もそこにあると考えていいでしょう。実際に、昼間のシシウドには羽音がうるさいほどのたくさんの昆虫が集まって同時に蜜を吸っています。そのことからも大きく育つだけのメリットはありそうです。また、その生産コストは、茎の中を中空にすることによって抑えるという工夫がされているとか。

そんなふうにシシウドや他の植物を見比べていたとき、花の色と形態の間にも一定の傾向があるのではないかという気がしてきました。それについては明日、お話しましょう。

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