10/27 産地交流部会 【秋の交流会】に参加してきました!
この日は ちょっと冷たく強めの風が吹いてましたが晴天に恵まれました。
まず最初に大崎市にある『みちのくきのこ館』を見学してきました。
目的地に着くと まだ中に入っていないのに 冷たい強風がきのこの独特な香りを運んできます。
こちらでは椎茸の栽培を見学することができました。
椎茸というと原木を使って林のような木陰の露地で栽培しているイメージですが
こちらでは菌床といって施設内で原木を使わずに栽培しています。
施設内なので放射能や天候の影響を受けにくく 冷暖房を使って温度管理をすれば一年中栽培可能なのが利点ですが、
冷暖房を使用する分の電気代がかかるのが不利な点です。
特殊なビニールの袋に材料を入れ、圧をかけ100℃8時間蒸し上げ雑菌を取り去り放冷した後に椎茸になる菌を植え付け、
温度や空気の入れ替えなどの管理をしながら培養させるのですが、この培養が一番難しいそうです。
一つの袋から何度か椎茸が摂れるのですが、育ちが悪いとその回数が少なかったり、
形が悪かったりするそうです。
さて、形が悪い椎茸とは…椎茸の傘の周りにヒダがあるのですが、
これがキュッと締まっているものが良く値段も高く売れるそうです。
味はと言うと…あまりかわらないそうです。
きのこの見学を終えると ちょうどお腹も空いて昼食の場へ『四季の里 凛菜・上の家』でお昼となりした。
田んぼに囲まれた道を行くと 大きく育った木々に囲まれた茅葺屋根が見えます。 また更に進むと
辺りはその凛とした古いたたずまいが普通にあった時代へタイムスリップしたかのようでした
中へ入ると炭火が燃える囲炉裏からもくもくと煙が舞い上がり 最初は「煙いかな?」とも思いましたが慣れると懐かしい感じもしました。
その煙が建物や私たちを浄化しているようにも思えます。
奥の厨房から こちらの責任者でもある奥野幸子さんが笑顔で私たちを迎えてくださいました。
席に着くとそこには 10種類ほどの野菜を中心とした数々の料理が並んだお膳が用意されていました。
お料理の内容は季節ごと少しずつ変えているそうです。
私たちの後にも20人ほどの学生さんが来て、一時お店のスタッフの方も準備をされていましたが、落ち着くと
再び奥野さんが食事中の私たちの顔が万遍なく見える位置に座り お話をしてくださいました。
こちらでお仕事を始められたのは なぁんと70歳の時!
70歳で古くてもこんな立派なお家で営もうというチャレンジ精神は凄いですね!
『凛菜・上の家』を始めてから「ヒルズにも行ったのよ」と六本木ヒルズでこちらの食事を披露されたたそうです。
一大イベントで体力的にも精神的にも大変だったことでしょう、でも刺激的ですね。
石館さんが「お肌キレイですね。やっぱり こういうお食事されているからですかね?」と尋ねられると
「少し(お化粧)塗ってるのよ」なんで可愛く答えてくださいます。
今では82歳になる奥野さんですが、テキパキと動かれる様や尽きない話をされる御様子はとてもその年齢には見えません。
野菜中心の料理と奥野さんのお話で お腹も心も満たれると次は 生産農家の高橋さんの畑を訪ねました。
そこには20棟ほどのビニールハウスがありました。ここも周りは田んぼで 冷たい風がさえぎられることなく私たちへ吹きつけますが、
そのビニールハウスの中へ入るとちょっと暖まります。ビニールハウスの中には トマトや大根・小かぶ・レタス・ほうれん草などなど。
お話を伺ったのは 高橋 廣さん、ご本人いわく話すのは苦手で奥様にお任せしているけど、今日は奥様の啓子さんはご不在とのこと。
廣さん 始める最初の頃は農業が嫌だったけど跡継ぎで仕方なく始められたとか。
でも今は育てる楽しさがやりがいの一番の理由だとおっしゃっていました。
拝見した野菜たちのとてもキレイに手入れを施されている様子は廣さんが農業を楽しまれていることを物語っています。
この後に向かった『あ・ら・伊達な道の駅』でも、時期をずらしてビニールハウスで作られた高橋さんの大根が好評だそうです。
そんな仕事ぶりが買われてか 種苗の会社から試しに新品種の栽培を頼まれるのだとか。
いくつかビニールハウスを見てまわると完熟されたミニトマトがありました。
「あんまり出来は良くないけど 摘まんで食べてみて」とおっしゃるので私たちは遠慮なくいただきました。
食べてみると…しっかり甘味があって美味しいじゃないですか!
何個までなんて限定もされなかったので、摘まんでは食べ摘まんでは食べていたら 別のビニールハウスから完熟で摂れたてのトマトを
持ってきてくださいました。でも普通のトマトを皆で上手く分けられないと言うと 「また持ってくる!」とまた直ぐに
完熟摂れたてトマトを持ってきてくださいました。少々ヒビは入っているものの 一口かじればトマトの旨味が口の中に広がります。
ピンクトマトとはいえ 出汁にも使えそうなほど。
そして 廣さんのお話はあれよあれよと・・・あれお喋りするのはお好きでしたっけ?
きっと大好きな野菜作りのお話が好きなんですね。野菜作りの大好きな人から育った野菜はやっぱり美味しいです。
高橋さんのビニールハウスを後にして 次に向かったのは そう『あ・ら・伊達な道の駅』です。
ここで勤務されているジュニア野菜ソムリエの大内祐さんにもお話を伺いました。
日曜日ということもあってお祭りでもあったかのように多くの人でにぎわっていました。
土日や祝日などはいつもそうで、特に紅葉の時期 まさに今が一番ピークだそうです。
北海道の当別町や愛媛県の宇和島市と姉妹都市として盟約を締結しているため、北海道の定番のチョコレートのお店があったり、
各姉妹都市の商品も並ぶことがあるとか。
こちらにはジュニア野菜ソムリエを取得された方が6人いて、『長芋ジュース』や『じゃが芋甘酒』などをふるまったこともあったそうです。
飲んでみたかったですね。
季節も冬の寒い時期になると ハウスものや干した野菜が中心になりますが、品数が少ないので
加工品などを工夫して品目を増やしていきたいとのこと。
一番売り上げに貢献しているのは野菜が中心、しそ巻きや梅干など長持ちしてお土産にもできる商品も売れてるそうです。
きっとかりんとうも貢献してることでしょう。
今後の大きな課題としては『半農半Ⅹ』の方たちを受け入れやすいお店にしたいとのこと。
『半農半Ⅹ』とは、小さな農ある暮らしをして、残り半分はⅩ…好きなこと(仕事、天職!)をすること という意味のようです。
栽培ポットな農レベルの私でも憧れる言葉の響きです。
半農半Ⅹ…自分もそうなれたらイイなぁと思いつつ、両手をお土産で満たし 充実した一日を終えるのでした。
投稿 by 産地交流部会 佐藤明子
写真は当日参加頂いた仙台ぱどのスタッフに撮影していただきました。