切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

歌舞伎座(昼の部)を観てきました。

2015-09-22 23:59:59 | 私の写メ日記(観劇版)
今月の昼の部は何といっても競伊勢物語(はでくらべいせものがたり)でしょう。吉右衛門、東蔵、菊之助、染五郎、又五郎。力演の光る舞台でした。また、紅葉狩の金太郎くんも印象に残るなあ~。ということで、簡単な感想のみ。

一幕目の双蝶々曲輪日記の新清水浮無瀬は、たぶん去年の国立の染五郎の舞台と台本がほぼ一緒だったような気がしますが、梅玉、錦之助、魁春、芝雀と役者がそろっている割に、もうひとつ。ま、これは双蝶々の通し上演の一部じゃないと、盛り上がらないんじゃないですかね。でも、梅玉さんの宙乗りは、意外とよかったです、芸風同様ふんわりした雰囲気があって。

二幕目の紅葉狩は、染五郎の更科姫がいつになくゆったりとして気品があってよく、松緑の維茂も口跡がよかったんですが、金太郎くんの山神の決まり決まりが力感があって驚きました。この子は将来勧進帳の弁慶が似合いそうだなと。上手い子役は時々出ますが、力感のある子は珍しいですからね。

そして、最後は競伊勢物語。わたしは、歌舞伎では先代猿之助の国立劇場の公演を観て以来。文楽では、何年か前に、大阪で住大夫師匠の語りを聴いたことがありますが、さすがに記憶が曖昧だったんで、名作歌舞伎全集と床本を読んで、昭和49年の文楽公演のモノクロ映像(文字大夫時代の住大夫)を見直し、猿之助の公演の映像が見つからなかったんで、手元にあった猿之助一門の研修会の放送映像を見直しましたが、その上での今回の感想。ひとことで言えば、よかったです、とっても。

菊之助がよかったことに加えて、東蔵が実に良い老け役の情。そして、吉右衛門の風格。詳しくは別の機会に譲りたいのですが、二時間強が短かった。上演の都合で、いろいろな部分が省かれていますが、この芝居の最良の見本が残ったと思いました。願わくば、いつか国立劇場で、吉右衛門一座の通し上演が見たいですね。

というわけで、満喫しました。よい九月公演でした、ネ!


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