切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

今頃になって、ちゃんと『NANA』を読んでみた。

2007-12-03 16:41:56 | 超読書日記
萩尾望都VSよしながふみの対談で『NANA』のことが話題になっていたんだけど、『NANA』を読めないおじさんたちがいるということについて、お二人の結論は、「男の人が見たくない、女の子の現実が描かれているから」ということに落ち着いていて、「なるほど!」って思った…といいながら、わたし、『NANA』って1巻しか読んでなかったっけ!というわけで、買ったきり読んでなかったコミックス4巻分収録のダイジェスト版というのを読んでみた。で、わたしなりの感想を…。

もう、この手のマンガを読む年じゃなあないし~なんて感じで、なんとなく読まなかったこのマンガ。

人気はあるし、このマンガで有名になった某お店の所在地周辺も土地勘があったりして、案外無縁ではなかったりするのですが…。

要するに、わたしがこのマンガを避けてきた最大の理由が、あの絵柄。

どうもわたしの趣味ではないし、意外と典型的に少女マンガ的なスタイルと、いまいちな画力がネックになって、まあいいやっていうカテゴリーに入ってしまったってことですかね~。(わたしは、基本的に絵のうまい人に憧れを持っていますから!)

で、ちゃんと読んでみると、絵は下手だけど、恋愛のシチュエーションを作るのがうまいなあってことに感心してしまって、それなりに面白く読めました。

おじさんたちに抵抗があるのは、ハチという女の子の男性遍歴らしいんだけど、ハチやハチから恋人を奪ってしまう女の子の、「あれは仕方がなかった」っていう、女の子特有の言い訳のシチュエーション作りが、この作者はなかなかうまいなあって、わたしは思う。

要するに、「仕方がなかった→運命→可哀想」みたいな連鎖があるから、おじさんからみると尻軽に映る女の子が、「あの子は純粋なんだよ」って、女性読者には思える。

でも、よく考えてみれば、「男のいいようにされてないか?」って感じもしなくもないんだけどね~。

それと、二人の女の子の共同生活を通して、女が女に軽蔑されたくないという、女のマッチョな心情みたいなものをうまく表現しているって感じも、わたしはしたな。

女の子が女の子に口を利けなくなってしまうことが、オトコの問題以上に深くその子のアイデンティティと直結しているっていう感覚というかね~。

というわけで、面白く読ませていただきました。でも、もうちょっと、画は何とかならないのかな…。

PS①:映画のほうでは、ハチから彼氏を奪ってしまう役を、現ダルビッシュ夫人のサエコがやっているんですね。ちょっと、ツボにはまったな、わたしは。

それと、大谷健太郎監督の本領は、「アベック・モン・マリ」っていう映画の方ですよ、やっぱり!

PS②:大判で読んだら画が気になったんだけど、あとで新書版を見たら案外気にならなかった。縮小されるとやっぱり画って締まりますね。


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<ご参考>
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