ちょっと、時機を逸してしまった感があるのですが…。個人的には、「ライブ8」や「ほっとけない世界の貧しさキャンペーン」で語られる、「アフリカの貧困を救え」という趣旨に必ずしも反対ではないのですが、なんとなく違和感が残るのも確かなんで、敢えてコメントを。
わたし自身のことで言うと、現実の裁判闘争なんかを続けている人にカンパをしたことは何度かある。それは現実にかかる訴訟費用や生活費などの困窮が理解できることと、カンパする相手の顔が明確にわかるから。
「アフリカの貧困」問題でいえば、「貧困のために1日3万人もの人達が死んでいく。」といわれても、ではいったい広いアフリカ大陸で、どの国の人が何人といった割合で死んでいくのか、またどういう具対策を打つとこういったことが防げるのかというあたりがどうもハッキリしない。わたしのなかでは、「ODA増額」や「債務の免除」、はたまた「募金」が貧困撲滅とどうストレートに繋がるのか、さっぱりわからない。
わたしですら、人並みに「地理」の授業や「ゴルゴ13」(もっと真面目に勉強しろと言われそうだけど、案外これはバカに出来ない情報量があるマンガだと思うんだけどなあ…。)なんかで、アフリカの国々が抱える複雑な事情を知らないわけではないのだが…。
たとえば、具体的にエチオピアの貧困を問題にした場合、政治情勢の問題か、飢饉や旱魃の問題なのか、具体的な問題点にまで踏み込んでいかない限り、北朝鮮への米支援と変わらない話になるのではないか。「アフリカについて知ろう」という割りには、ステレオタイプのお腹を空かした子供の写真みたいな想像力の域を出ていないような気がしてならないんですよね。
アフリカに近いヨーロッパでは、アフリカの農産物輸入の自由化を許せば、ヨーロッパの農家は壊滅的な打撃を受けるだろうし、それぐらいだったら、ホワイトバンドやライブに行くことでお金を落した方が、身の痛まない免罪符を買った気分に浸れるのではないか、と想像してしまうのは下司の勘繰りかな?
常々思うのは、身近な問題への関与には人々はためらいがちなもんだなあということ。一方で、具体的な使い道や使う主体のハッキリしないところへは、割りと簡単にイメージでお金を払ってしまう。(だから広告代理店って儲かるんですね。)
別に今回の運動を揶揄するつもりはないのだけど、できればもう少し具体的な問題の所在とその処方箋について説明責任を果すべきだと思う。でなければ、「仲の悪かったピンクフロイドのメンバーの再集結が見れてよかったね。」という単なる野外イベントの話題で終わってしまいそうな気がする。
それに、単なる金を払ったという満足感だったら、簡単に「アフリカへのODA増額」を発表した小泉首相の無責任さと変わらないと思いますね。結局、どんな国の問題であれ、無責任な政治と本当は無関心な人々によって、問題はそのまま温存されていくだけだと思います。
そういう意味では、ブラーのデーモンの批判にわたしは賛成です。
ライブ・8 ピンク・フロイドの再結成が決定、ブラーのデーモンはイベントを批判 (MTV)
デーモン・アルバーン、ライヴ・8を批判(BARKS)
オアシスのノエル、<ライヴ・8>に出ない理由(BARKS)
わたし自身のことで言うと、現実の裁判闘争なんかを続けている人にカンパをしたことは何度かある。それは現実にかかる訴訟費用や生活費などの困窮が理解できることと、カンパする相手の顔が明確にわかるから。
「アフリカの貧困」問題でいえば、「貧困のために1日3万人もの人達が死んでいく。」といわれても、ではいったい広いアフリカ大陸で、どの国の人が何人といった割合で死んでいくのか、またどういう具対策を打つとこういったことが防げるのかというあたりがどうもハッキリしない。わたしのなかでは、「ODA増額」や「債務の免除」、はたまた「募金」が貧困撲滅とどうストレートに繋がるのか、さっぱりわからない。
わたしですら、人並みに「地理」の授業や「ゴルゴ13」(もっと真面目に勉強しろと言われそうだけど、案外これはバカに出来ない情報量があるマンガだと思うんだけどなあ…。)なんかで、アフリカの国々が抱える複雑な事情を知らないわけではないのだが…。
たとえば、具体的にエチオピアの貧困を問題にした場合、政治情勢の問題か、飢饉や旱魃の問題なのか、具体的な問題点にまで踏み込んでいかない限り、北朝鮮への米支援と変わらない話になるのではないか。「アフリカについて知ろう」という割りには、ステレオタイプのお腹を空かした子供の写真みたいな想像力の域を出ていないような気がしてならないんですよね。
アフリカに近いヨーロッパでは、アフリカの農産物輸入の自由化を許せば、ヨーロッパの農家は壊滅的な打撃を受けるだろうし、それぐらいだったら、ホワイトバンドやライブに行くことでお金を落した方が、身の痛まない免罪符を買った気分に浸れるのではないか、と想像してしまうのは下司の勘繰りかな?
常々思うのは、身近な問題への関与には人々はためらいがちなもんだなあということ。一方で、具体的な使い道や使う主体のハッキリしないところへは、割りと簡単にイメージでお金を払ってしまう。(だから広告代理店って儲かるんですね。)
別に今回の運動を揶揄するつもりはないのだけど、できればもう少し具体的な問題の所在とその処方箋について説明責任を果すべきだと思う。でなければ、「仲の悪かったピンクフロイドのメンバーの再集結が見れてよかったね。」という単なる野外イベントの話題で終わってしまいそうな気がする。
それに、単なる金を払ったという満足感だったら、簡単に「アフリカへのODA増額」を発表した小泉首相の無責任さと変わらないと思いますね。結局、どんな国の問題であれ、無責任な政治と本当は無関心な人々によって、問題はそのまま温存されていくだけだと思います。
そういう意味では、ブラーのデーモンの批判にわたしは賛成です。
ライブ・8 ピンク・フロイドの再結成が決定、ブラーのデーモンはイベントを批判 (MTV)
デーモン・アルバーン、ライヴ・8を批判(BARKS)
オアシスのノエル、<ライヴ・8>に出ない理由(BARKS)
金や宝石と言ったアフリカの富を根こそぎ剥ぎ取ったのみならず、何百万人という労働力を奴隷として「拉致」してアメリカに売り払ったからです。
今でもこの極悪人どもの子孫達は平穏な生活を享受して、悲惨な目にあった人々の子孫達は今尚その被害状況からまったくと言っていい程立ち直って居ないどころかもっと酷い状態に陥ろうとしています。
この世には神も仏もないものか?と慨嘆すると共に「金だけで済む問題か?」と思います。
はっきりいって、違和感だらけなんですが、何より問題を感じるのはU2・ボノの国家観や世界観。
G8の首脳が世界を牛耳っていて、彼らがアクションを起こせば問題が解決すというほど、世界って単純なんでしょうか?グローバル経済という視点のない、割と単純な国民国家的発想に思えて仕方がないんですよね。
それに、U2はアイルランドに税金を払っているのかもしれませんが、多くのミュージシャンは税金逃れのために税金の安い国に国籍を移したりしているわけでしょう。「日本はもっとやれる」といわれたって、全て血税なんであって、日本の国家財政が歳入の二倍の歳出だなんてことは、ボノには関心がないことでしょう。イラク支援と同じ調子で金を出す小泉もどうかしています。
ボノは耳障りのいいことばかり言ってないで、「貧困撲滅」の具体的な障害について歌うなり、批判するべきだと思いますね、ミュージシャンなんだから。
また、この手の運動によって人々が、現実の問題を解決するには泥臭い手続きや交渉が不可欠だってことに目を背けることになっても困るなあと思います。