切られお富!

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『女体(じょたい)』 増村保造 監督

2016-04-24 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
60年代末期、経営の傾いていた大映と日活は合同で配給(ダイニチ映配)をしたりして、協力関係にあったんですが、その影響なのか、双方のスターが他社の映画に出演するっていう夢の組合せが実現したりしたんですよね。石原裕次郎の妻役で若尾文子が出演した日活映画『スパルタ教育 くたばれ親父』(舛田利雄監督)とか、浅丘ルリ子が大映のエース増村保造監督の作品に出演した本作とか。で、長年見逃してきた本作をついに観ることができたんで、感想を書きます。これは、浅丘ルリ子ファン必見!

欲望のまま生きる女性を描かせたらこの人という巨匠・増村保造と、日活初のカラー映画『緑はるかに』で子役デビュー以来、小林旭の渡り鳥シリーズや石原裕次郎のムード・アクションのヒロインを演じ、まさに「日活のヒロイン」だった浅丘ルリ子が、最初で最後のタッグを組む!

で、どんな映画になるかと思いきや、純然たる増村映画というか、これほど野生の動物みたいに見える浅丘ルリ子って、他では見られないんじゃないでしょうか!緑魔子や渥美マリが演じた増村作品のヒロインと同傾向にあるんだけど、そこはこの人、強烈なオーラがありますね。それに、めまぐるしく変わるファッションも秀逸。本人もノリノリでやってなんじゃないのかな。踊るシーンなんて、女豹って感じですもの。

そして、最後に出てくる正方形のお風呂!これは増村ファンじゃないとわからないでしょうが、増村はこのお風呂の美術好きですよね~。

というようなわけで、一種、「ジェットコースター的悪夢」って感じの傑作だと思いました。しかし、この映画、同監督『でんきくらげ』の前年の作品なんですよね。興味のある方は、どうぞ!


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