切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

<訃報> 作家 野坂昭如

2015-12-10 21:24:30 | 超読書日記
大江健三郎はともかく、個人の存在感のレベルで作家らしい作家の最後だったような・・・。その奇行ばかりでなく、いまこそ小説が読まれるべき、あと、できたら歌も!ということで、ご冥福をお祈りいたします。

遅筆で有名なひとですが、『火垂るの墓』じゃなくて、『エロ事師たち』とか『骨餓身峠死人葛』の作家ですよ。あるいは、『ベトナム姐ちゃん』、『てろてろ』、『マッチ売りの少女』とか。

あと、歌ってる姿も意外とよいんですが、藤田敏八監督の映画『バージンブルース』の主題歌を謳う姿が忘れ難い(歌詞もよい!)。もちろん、ヒロインは秋吉久美子。

映画ついでだと、原作の映画、今村昌平の『エロ事師たち 人類学入門』、三隅研次監督、勝新太郎主演の『とむらい師たち』、増村保造監督関根恵子主演の『遊び』もなかなかの傑作で必見です!

また、むかしNHKがカセットテープで出していた<作家が語る作家シリーズ>の「野坂昭如が語る太宰治」が面白かったのと、これまたNHKでやっていたテレビ番組で、野坂昭如が石川淳の「焼跡のイエス」を朗読した番組がよかったような記憶が・・・。

ま、今あらためて思うのは、「言葉の人」だったということ。大島渚や野坂が出ていた頃の朝生って一つや二つはハッとするような言葉がありましたものね~。

ということで、石原慎太郎よりはその存在感で好きでした・・・。西部邁はこの人を追悼しないんでしょうね~。
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