この人のコンサートもCDも聴いたことがないのに記事を書くのは、なんといっても著書が面白かったから。クラシックを聞き始めた頃、何事も本から入るわたしはいくつかのクラシック・ネタの本を手に取ったんだけど、手に入りやすくて面白かったのは、この人の本と中村紘子だった。ふたりとも演奏を聴いたことはないけれど(失礼!)、まったく名文家ですね。特に、岩城さんの本では、暗譜(譜面を見ないで演奏すること)について書いたくだりがとても興味深かった。
「指揮のおけいこ」と「楽譜の風景」という本に出てくる話で、「春の祭典」を暗譜で指揮している途中、譜面を忘れて大失敗したくだりは人間臭くて面白かった。
暗譜って目が悪かったトスカニーニが譜面を暗記して以来のもののようだけど、指揮者の天才伝説の一部のように語られていて、小澤征爾とかチェリビダッケの話題には必ず出てきたりする。でも、失敗した話を堂々と書いたのはこの人くらいなんじゃないかな?
この部分に限らず、親しみやすい筆致で、クラシック・ビギナーだったわたしにもたいへんわかりやすかったんだけど、やっぱり演奏も聴いてみたかったですね、生で。
ご冥福をお祈りいたします。
おくやみ 指揮者・岩城さんの死、音楽界から悼む声相次ぐ - goo ニュース
(こっちは中村紘子の本)
「指揮のおけいこ」と「楽譜の風景」という本に出てくる話で、「春の祭典」を暗譜で指揮している途中、譜面を忘れて大失敗したくだりは人間臭くて面白かった。
暗譜って目が悪かったトスカニーニが譜面を暗記して以来のもののようだけど、指揮者の天才伝説の一部のように語られていて、小澤征爾とかチェリビダッケの話題には必ず出てきたりする。でも、失敗した話を堂々と書いたのはこの人くらいなんじゃないかな?
この部分に限らず、親しみやすい筆致で、クラシック・ビギナーだったわたしにもたいへんわかりやすかったんだけど、やっぱり演奏も聴いてみたかったですね、生で。
ご冥福をお祈りいたします。
おくやみ 指揮者・岩城さんの死、音楽界から悼む声相次ぐ - goo ニュース
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(こっちは中村紘子の本)
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いつもありがとうございます。
「岩城宏之ベートーヴェンとともにゆかん」
既に4月にBSで放送され、ご覧になった方々も多いことでしょう。私はBS受
信機がなくて見ることができなかったもので、今夜は見逃せません。
◆6月25日(日) 9:00~9:30 テレビ朝日
「題名のない音楽会」お悔み情報
◆6月25日(日)15:45~16:30 NHK BS2
「わが心の旅」
◆7月2日(日) 21:00~ NHK教育テレビ
「N響アワー 岩城宏之追悼特集」
★「故岩城宏之お別れの会」
7月18日(火)14:00~15:30 サントリーホール小ホール
大勢の人々が訪れることでしょうね。
以上、岩城宏之オフィシャルサイトより転載しました。
【岩城宏之オフィシャルサイト】
http://www.iwakihiroyuki.com/
岩城さんって、毀誉褒貶ある方だったんですね。なかなか勉強になりました。
マスコミのニュースだけだと、「惜しまれた死」ってことで終わってしまいがちですが、いろんな情報があるもんですね。
死後は、録音などで真価が問われることになるんでしょうけど…。
何れにせよ録音の数々の歴史資料的価値は、誰のものよりも計り知れないでしょうか。
何よりも、醜いのは昭和40年代の始め、N響から、小沢征爾や若杉弘を追い出す裏の張本人になったことです。
小沢も若杉も、日本での活躍の場を失い、外国で仕事をするしか彼らの生きる世界はなくなりました。
岩城さんは俺が音楽会で出世しないのは「ホモ」や「ユダヤ人」でないからだと云ってますが今日の二人の活躍があるのは、あの時、日本を追い出されて、外国での仕事を積み重ねた結果ですから、人生は皮肉です。
最初の指揮棒をサッと振り下ろし、ジャジャジャジャ~ンの頭で、腕の関節がボキッと大きな音で鳴ったのを憶えています。
確かにトークのユーモアはよかったですね
合掌