切られお富!

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平成中村座(昼の部)の千穐楽に行ってきた。

2015-05-03 23:59:59 | 私の写メ日記(観劇版)
久々の平成中村座。隅田川沿いより、浅草寺の裏が良いですよ。今回は橋之助の勧進帳弁慶が目当てでした。簡単な感想のみ。

最初は「双蝶々曲輪日記」の角力場。彌十郎の濡髪は本当の相撲取並みに体型は立派。放駒の獅童も体格がいいから、なかなか大した角力場ではあったんだけど、濡髪の貫録とか腹の深さまでは今一歩。

思えば、父親の坂東好太郎がその昔、映画『若ノ花物語 土俵の鬼』というのに出ていたことがあって、親方の役だったんですが、そのおおきな役者ぶりで立派な親方でした。なにしろ、相手役が本物の若ノ花だったわけで、ぜんぜん引けを取っていませんでしたから。それ比べると、ちょっと物足りなかったかな。

次がお目当て、勧進帳。

今年の橋之助は期するものがあるのか、意欲的ですね。「髪結新三」に「勧進帳」に、「河内山」もやるというし、ドラマ「ウロボロス」の悪役というのもあった!

で、舞台ですが、花道の出くらいから悪くなくて、立派な弁慶だったんですが、義経がいるとはいえ、一行のリーダーとしての懐の深さがもうひとつ。時代物っぽい弁慶で、後半なんかはハラが薄い印象を持ちました。四天王が若すぎるというのもあるのかもしれない。飛び六法は力感があってよいんですが、結構唸りながら引っ込むなあ~、きつい芝居なんだろうなあ~と思いました。

個人的に出色だと思ったのは、勘九郎の富樫。父親最晩年の富樫もよかったけど、泣くところなんかも、フリは大きいけど、さわやかだから大げさにならず、呼びとめも勢いがあって、今後に期待できる気がしました。七之助の義経も台詞がまずまず。

最後が魚屋宗五郎。

世話物をやるには若いメンバー主体だし、どうかと思ったんですが、納涼歌舞伎のときの若かった勘三郎、福助によるドタバタ喜劇風より、全然上。勘九郎は酔っぱらった芝居でも品が崩れないから、わたしは好感もちました。彌十郎の浦戸も懐があって濡髪より良かったくらい。

最後に、平成中村座のなかに在りし日の小山三の写真があったのが良かったです。わたしだけじゃなく、多くの人が思い出に画像撮ってました。

わたしは、長らくご無沙汰していた人にたまたま会ってしまったりして、なかなか充実した観劇でした。



昼の部

一、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)

角力場

濡髪長五郎

坂東 彌十郎


藤屋吾妻

坂東 新 悟

山崎屋与五郎/放駒長吉

中村 獅 童


二、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)

武蔵坊弁慶

中村 橋之助


源義経

中村 七之助


亀井六郎

中村 国 生


片岡八郎

中村 宗 生


駿河次郎

中村 鶴 松


常陸坊海尊

片岡 亀 蔵


富樫左衛門

中村 勘九郎


新皿屋舗月雨暈

三、魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)

魚屋宗五郎

中村 勘九郎


女房おはま

中村 七之助


召使おなぎ

坂東 新 悟(4月1日~16日)


 

中村 児太郎(4月18日~5月3日)


茶屋娘おしげ

中村 児太郎(4月1日~16日)


 

坂東 新 悟(4月18日~5月3日)


鳶吉五郎

中村 国 生


太兵衛

片岡 亀 蔵


磯部主計之助

中村 獅 童


浦戸十左衛門

坂東 彌十郎
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