切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

「サワコの朝」の香川京子さん。

2015-12-12 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
「東京物語」、「山椒大夫」、「近松物語」、「赤ひげ」等々、巨匠の映画に数多く出演した大女優・香川京子の「サワコの朝」ご出演は、いかにもご本人らしい自然体でした。しかし、西島秀俊と交流があるっていうのは意外でしたね~。簡単な感想のみ。

新東宝入社後、わりと早くフリーになったというのは、この人にとってラッキーだったんじゃないですかね。でも、やはり、東宝系作品が多い印象ではありますが。

番組では、成瀬巳喜男監督の「おかあさん」が一つの転機だったこと、「東京物語」の原節子は映画のイメージとは違い、大変明るい方だったこと、田中絹代のプロ魂に感動したことなんかが語られていました。

で、たぶん、ヨーロッパで今なお人気の高い溝口健二作品のヒロインとして国際的には知られていると思うんだけど、日本では「ひめゆりの塔」あたりになっちゃうんでしょうね。

わたしの個人的な好みでいうと、成瀬巳喜男監督の「杏っ子」って作品が忘れられないですね。原作は室生犀星。あと、番組中で語られた黒澤明監督「赤ひげ」の狂女も異色でよかったんですが、黒澤作品だったら「悪い奴ほどよく眠る」の足の悪い花嫁役が記憶に残りますね~。

でも、でも、海外では「山椒大夫」の安寿の入水自殺のシーンとか、「近松物語」山道で長谷川一夫追いかけるクレーンショットで語り継がれることでしょう。

というわけで、映画の語り部として、末永いご活躍を!

PS:西島秀俊が酔っぱらって香川さんに電話したのは、イラン人監督アミール・ナデリの「CUT」に出演した際、小津安二郎の墓前で演技をすることになり、プレッシャーから電話してしまって、励まされたとのこと。わたし、この映画観てないんですが、観てみようかな。ちなみに、ナデリ監督って、ジョン・カサヴェテス監督の「ラブ・ストリームス」の現場にスタッフとして参加していた人なんだそうです。「ラブ・ストリームス」は素晴らしい映画ですよね!


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