切られお富!

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『メリィ・ウィドウ』 エルンスト・ルビッチ 監督

2008-01-29 01:53:40 | アメリカの夜(映画日記)
怪我で休んでるときに、オペレッタ『メリィ・ウィドウ』の舞台映像を見たのがきっかけで、ルビッチの撮った映画版をみてみたのですが、オペレッタとはだいぶ変えてますね。もちろん、ルビッチ流にではあるんだけど。

喜劇調で軽めのオペラという感じの「オペレッタ」。そのなかでも有名なのは、「こうもり」と「メリィ・ウィドウ」でしょう。

まあ、多少品がなくもない「こうもり」に比べるとこちらの方がドイツ語オペレッタの本命だという説もあるそうですが、わたしはどちらも嫌いじゃない。

というのも、舞台映像を見ていて、わたしの好きな映画ジャンル「スクリューボール・コメディ」の源流はオペレッタにあったんだなってことに気づいたからなんです。どちらも、要するにオトナの痴話喧嘩っていうところですからね。(映画だけみてても、映画ファンはダメですね。)

それに、アメリカの「スクリューボール・コメディ」の監督ルビッチやその弟子筋ビリー・ワイルダーはドイツ語圏出身者ですから、血筋的にも出自がわかりやすい。

で、映画の方ですが、お金持ちの未亡人を巡る恋の話という以外は、元になったオペレッタから大きく換骨奪胎していて、随分自由な映画です。(特に、最後はやり過ぎくらいで笑ってしまいますが・・・。)

ところで、ルビッチの映画はパリの名画座ではよく上映していますが、大きなスクリーンで観たほうが映えるミディアムショットの移動撮影が多く、この話特有のダンスシーンが流麗で洒落ています。(特に、ジャネット・マクドナルドが一人浮かれて踊りだすシーンの手持ちカメラの優雅さが最高!)

そして、何より素晴らしいのは衣装。グレタ・ガルボの衣装デザイナーとして知られたエイドリアンがジャネット・マクドナルドの衣装を担当していて、場面ごとの彼女の衣装に目が釘付けになります。

特に、ドアの近くで行われる芝居が多いので、衣装チェンジが寄り一層印象的に感じるのかもしれません。

そんなわけで、ストーリーは若干判りにくいものの、ゴージャスさで楽しめる全盛期のルビッチ作品でした。

みてたら、オペレッタのCDを聴きたくなっちゃったな~。

メリィ・ウィドウ

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