切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

来年五月、新橋演舞場の吉右衛門

2006-12-23 12:19:19 | かぶき讃(トピックス)
今年から始まった、吉右衛門の新橋演舞場五月公演なんだけど、来年の演目が発表になった。しかし、演目がいまいちなんだよね~。


昼の部

一、歌舞伎十八番の内 鳴神(なるかみ)
            鳴神上人  染五郎
           雲の絶間姫  芝 雀


二、鬼平犯科帳(おにへいはんかちょう)
  大川の隠居
           長谷川平蔵  吉右衛門
           船頭友五郎  歌 六
           長谷川久栄  福 助
          同心酒井祐助  信二郎
          与力佐嶋忠介  歌 昇
           小房の粂八  段四郎
          岸井左馬之助  富十郎


三、釣女(つりおんな)
            太郎冠者  歌 昇
              上  芝 雀
             大名某  信二郎
              醜女  吉右衛門



夜の部

一、妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)
  三笠山御殿の場
         杉酒屋娘お三輪  福 助
    烏帽子折求女実は藤原淡海  染五郎
           入鹿妹橘姫  高麗蔵
          豆腐買おむら  歌 六
    漁師鱶七実は金輪五郎今国  吉右衛門


二、隅田川続俤(すみだがわごにちのおもかげ)
  法界坊
          聖天町法界坊  吉右衛門
            娘おくみ  芝 雀
           若党五百平  歌 昇
            手代要助  信二郎
           息女野分姫  染五郎
          永楽屋おらく  吉之丞
         大阪屋源右衛門  歌 六
           道具屋甚三  富十郎

  浄瑠璃 双面水照月
     法界坊の霊/野分姫の霊  染五郎
          渡し守おしづ  福 助
     手代要助実は吉田松若丸  信二郎
            娘おくみ  芝 雀

・新橋演舞場 五月公演

染五郎の鳴神上人はニンに合わないような気がするし、歌舞伎の演目でなく「鬼平」をやるというのも、「若手育成」を掲げるこの公演としてはどうなんだろう?

「大川の隠居」は池波正太郎の鬼平シリーズのなかでも最高傑作といわれる人気作で、作品としてはわたしも嫌いじゃあないのだけど、芝居でみたいかといわれると・・・。富十郎との共演に期待というところか。

夜の部の「妹背山 三笠山御殿」、ヒロインのお三輪は恋に必死な女の役で、あの淀川長治が「ヴィスコンティの映画『夏の嵐』のアリダ・ヴァリの役は妹背山のお三輪に似ている」と言っていたこともあるんですよね。(因みに、玉三郎がヴィスコンティを好きな監督にあげていて、自身のHPでも熱く語っています。)

ただし、福助のお三輪はちょっと暑苦しい感じがするかな・・・。

で、一番楽しみなのは、「法界坊」なんだけど、今の勘三郎の崩し過ぎなものとは違った「法界坊」を吉右衛門が見せてくれそうな気がするんだけど、どうなるんだろう?

ただ、最後の「浄瑠璃 双面水照月」で、染五郎が 「法界坊の霊/野分姫の霊」を演じるのは、これまたちょっと役不足では・・・。

というのも、この舞踊だけは、勘三郎が素晴らしかったからで、鬼気迫る嫌らしさで目が釘付けになったから。

・以前書いた「法界坊」の感想

さて、いろいろ文句を言っちゃったけど、播磨屋贔屓としては観に行っちゃうな、きっと!

鬼平犯科帳〈6〉

文藝春秋

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