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切られお富!

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石原都知事に仏語教材。

2005-07-28 00:30:00 | 超読書日記
記事を読んで、どんな教材なのか気になって調べてみたのだけど、「快速フランス語」と「フランス語のシッフル(数字)なんてこわくない!」という本だということまではわかった。

明大教員 「仏語は国際語失格」石原知事に学習セット贈呈

「快速フランス語」の方は「学習セット贈呈」をした明大教授の著書だからいいとして、気になったのは駿河台出版社から出ている「フランス語のシッフル(数字)なんてこわくない!」の方。

パリ好きのわたしも、パン屋さんやクレープ屋さんで“quatre vingt~”といわれて、ウっとつまったことは確かにある。車のナンバープレートをみて数を言う訓練をしろとはフランス語に限らず、語学学習でよくいわれるけど、わたしは基本「電車利用者」だしなあ…。というわけで、ちょっと気になってるんですよね、面白そうな本だなあと。

パリところどころ(わたしのパリ散策記です。)

で、問題の石原氏「フランス語は国際語失格」発言なんだけど、以前も書いたように、こんな発言を平気でするような都知事の国際感覚は失格だって言いたいですね。そもそも東京都知事にそんなこと判定する資格はないし、たんなる一作家が勝手に言っているならイザ知らず、多様な国から人々が集まる大都市東京で、わざわざ観光客から反発を食らいそうな発言をする必要があるのかどうか?

おまけに、この発言の入った首都大学東京の動画はあっさり削除するなど、案外腰の据わらない発言だということがわかって、なあんだって感じ。(そもそも首都大学東京の理事に石原氏の同窓生が起用されたり疑問だらけだそうですが…。)

石原知事の「仏語発言」動画、提訴直後にHPから削除
首都大東京についての小さなニュース
石原都知事のフランス語発言に抗議する会

加えて、地方ではどの程度話題になっているか知りませんが、浜渦副知事の天下り問題なんかもあって、つくづく困った人だと思いますね、一東京都民として。

東京都の浜渦副知事が辞職 天下りポスト用意に批判も

あと、一点気になったのが、都庁の記者クラブ?の連中やこのニュースを報道したアナウンサーの無教養ぶり。ちょっとでも石原慎太郎の小説を読んだことがあれば、彼がフランスの実存主義小説にかぶれて小説を書き始めたことがすぐに判りそうなもの。実際、質問している記者よりもフランス語やフランス文学に詳しいことは明らかで、会見なんかでも遊ばれてるなあって感じ。「アンドレ・マルローが~」なんて、いまどき仏文好きでも恥ずかしくていわないような名前を平気でいうようなおっさんを、攻撃するには明かに役不足でしたね。

それと、ブログを読んでいると、「なんでもかんでも裁判はよくない」なんていう批判が結構あるのだけど、これって判ってないなあと思う。要は新聞記事に載るような抗議行動をやらないと、誰にも相手にされないで終わっちゃうってこと。この手の実践論は行動しないで文句ばっかり言ってる人たちには永久にわからないだろうけど。だから、「慰謝料」なんて裁判という形式に従って算出しただけでしょ。

最後に、「国際語」の問題に触れておくと、その言語の利便性云々より、「英語という言語の、言語植民地主義にはもはや抗えない。」といういい方を石原氏はすべきだったんじゃないですかね。「NOといえる日本」の著者としては屈服を認めたくなのかもしれないけど。

まあ御茶ノ水のアテネフランセでフランス語を学んだという小林秀雄の亡霊にでも、石原慎太郎の頭をポカリとやってもらいましょうか、ランボーに叩きのめされた勢いで。

フランス語のシッフル(数字)なんてこわくない!

駿河台出版社

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