「中学生はこれを読め」という書店主が選んだ本のリストを見たんだけど、割とおとなし目だなっていうのがわたしの感想。もちろん、読んでない本も結構あるので断定はできないけれど、「中学生ってもっと刺激的なものが好きなんじゃないか?」ってわたしは思うんですよね。
「中学生はこれを読め」 書店主が推薦リスト、全国波及 (朝日新聞) - goo ニュース
で、まあ、わたしの極論をいうと、この際だからガキに迎合するのはやめて、「中学生は読書禁止!その禁を破って教師から"非国民”と通知表にかかれる覚悟のある奴だけ、本を読め!」ということにしたらどうかと思うんですよ。そして、禁忌を破った者の視界にだけ、妖しい活字の牡丹園が広がっているってことにしたら…。しかし、それは人工の花園なわけですが。
と、まあ、能書きはこれくらいにして、切られお富が選んだ中学生向け推薦リストはコレだ!
①「痴人の愛」谷崎潤一郎
月並みだけど、中学生が読んでも文句なしに面白い「日本文学」はやっぱりコレ。個人的には「卍」とか「秘密」が好きなんだけど、「日本文学」も結構面白いじゃんって思わせるにはナオミの魅力しかないな。子供の頃の三島由紀夫は谷崎の本を読んでいて、美人の伯母さんに「谷崎の変態小説なぞ、読んでるの?」と微笑まれたっていうから、中学生は真似しましょう。因みに、川端康成の「眠れる美女」は中学生にはまだ早い。
②「囚人狂時代」見沢知廉
中高生って、どういうわけか「犯罪」が気になる年頃だ。それは、真面目不真面目、関係ない。で、どうせなら、それなりのことをやって塀の中に入った人の話を早めに読んでおくのも悪くない。この本の著者は結構酷いことをやって囚人生活を送ったわけだけど、悪びれないというか、自意識過剰気味なところが、いかにも青春って感じ。因みに、去年自殺しちゃいましたね、このひと。
③「プロレス少女伝説」井田真木子
彼女の本なら何でもいいくらいなんだけど、ノンフィクション不朽の名作。破天荒で孤独な少女(?)神取忍を中心にプロレス少女たちの青春を追ったもの。なぜか入手困難になってるけど、図書館で借りて絶対読むこと。
④「賭博者」ドストエフスキー
「地下室の手記」にしようかと思ったけど、敢えてコレ。中高生ってなんで賭け事やゲーセンにはまるんだろう?でも、その熱狂と渦を異様な迫力で描いた青春小説といったらコレしかない。説教されるより、こういう破滅型青春の方が恐くて説得力あり。
⑤「エロ事師たち」野坂昭如
中高生といったらやっぱりエロでしょ、気になるのは。(オヤジみたいだな、これじゃあ。)でも、むかしは過激に見えたらしい澁澤龍彦の「犬狼都市」なんか、今どき読んでも失笑するしかないわけで、未だに命脈を保っているのはこの本みたいな、いじましいエロかもしれない。エロって綺麗じゃないぞって本を若いうちに読んどけってところかな?あと、マンガなら、やまだないとの「エロ・マラ」あたりか。
⑥「ティファニーで朝食を」カポーティ
とにかく映画ではなく原作です。ほんとは同じ作者の「冷血」にしようかと思ったけど、自分の名刺の住所に「旅行中(Travelling)」と書く、ヒロイン・ホリー・ゴライトリーは永遠に自由を求める女の子の象徴。因みに、引きこもってる人向けには、同じ作者の「草の竪琴」があります。
⑦「人間昆虫記」手塚治虫
「火の鳥」もいいんだけど、敢えてコレ。「ブラックジャック」で復活する以前の低迷期にあった手塚治虫が、なんでここまで虚無的なマンガを描けたのか、ほんとに謎。三島由紀夫の小説が難しい中学生はとりあえずコレを読め!かなり近い世界観だと思う。
⑧「一千一秒物語」 稲垣足穂
これから本格的にオタク道へ突き進もうとする人向け。尾崎翠の「第七官界彷徨」と並んで、夢見るオタク趣味全開小説ってところでしょう。宮沢賢治も悪くないけどさ。
⑨「さようならギャングたち」高橋源一郎
わたしが中学生のときに読んでガツンとやられた一冊。わかりやすいものより、理解を拒絶したものの方が、中学生にはグッと来るんですよ。でも、いま読みかえしたらどう思うかちょっと微妙かな~。
⑩「友よ、映画よ」山田宏一
「青春ってなんだ?」って聞かれたら(わたしにそんなこと聞く人も、まずいないな。)、迷わず「この本の小西康陽の解説だ!」って答えると思う。だから、解説だけでもいいから読むべし。そして、本文を読んだらシネフィル中学生がこの世にまた一人誕生することでしょう。
そんなわけで、とりあえず、10冊選んでみたけど、全然選び足りない感じだなあ…。女性作家も少ないし…。
でも、本気で自分の趣味を展開すると中学生向けではなくなるのでしょうがない。もっとも、この10冊読んでる中学生も、さすがに考えにくいってもんではあるかな?
「中学生はこれを読め」 書店主が推薦リスト、全国波及 (朝日新聞) - goo ニュース
で、まあ、わたしの極論をいうと、この際だからガキに迎合するのはやめて、「中学生は読書禁止!その禁を破って教師から"非国民”と通知表にかかれる覚悟のある奴だけ、本を読め!」ということにしたらどうかと思うんですよ。そして、禁忌を破った者の視界にだけ、妖しい活字の牡丹園が広がっているってことにしたら…。しかし、それは人工の花園なわけですが。
と、まあ、能書きはこれくらいにして、切られお富が選んだ中学生向け推薦リストはコレだ!
①「痴人の愛」谷崎潤一郎
月並みだけど、中学生が読んでも文句なしに面白い「日本文学」はやっぱりコレ。個人的には「卍」とか「秘密」が好きなんだけど、「日本文学」も結構面白いじゃんって思わせるにはナオミの魅力しかないな。子供の頃の三島由紀夫は谷崎の本を読んでいて、美人の伯母さんに「谷崎の変態小説なぞ、読んでるの?」と微笑まれたっていうから、中学生は真似しましょう。因みに、川端康成の「眠れる美女」は中学生にはまだ早い。
②「囚人狂時代」見沢知廉
中高生って、どういうわけか「犯罪」が気になる年頃だ。それは、真面目不真面目、関係ない。で、どうせなら、それなりのことをやって塀の中に入った人の話を早めに読んでおくのも悪くない。この本の著者は結構酷いことをやって囚人生活を送ったわけだけど、悪びれないというか、自意識過剰気味なところが、いかにも青春って感じ。因みに、去年自殺しちゃいましたね、このひと。
③「プロレス少女伝説」井田真木子
彼女の本なら何でもいいくらいなんだけど、ノンフィクション不朽の名作。破天荒で孤独な少女(?)神取忍を中心にプロレス少女たちの青春を追ったもの。なぜか入手困難になってるけど、図書館で借りて絶対読むこと。
④「賭博者」ドストエフスキー
「地下室の手記」にしようかと思ったけど、敢えてコレ。中高生ってなんで賭け事やゲーセンにはまるんだろう?でも、その熱狂と渦を異様な迫力で描いた青春小説といったらコレしかない。説教されるより、こういう破滅型青春の方が恐くて説得力あり。
⑤「エロ事師たち」野坂昭如
中高生といったらやっぱりエロでしょ、気になるのは。(オヤジみたいだな、これじゃあ。)でも、むかしは過激に見えたらしい澁澤龍彦の「犬狼都市」なんか、今どき読んでも失笑するしかないわけで、未だに命脈を保っているのはこの本みたいな、いじましいエロかもしれない。エロって綺麗じゃないぞって本を若いうちに読んどけってところかな?あと、マンガなら、やまだないとの「エロ・マラ」あたりか。
⑥「ティファニーで朝食を」カポーティ
とにかく映画ではなく原作です。ほんとは同じ作者の「冷血」にしようかと思ったけど、自分の名刺の住所に「旅行中(Travelling)」と書く、ヒロイン・ホリー・ゴライトリーは永遠に自由を求める女の子の象徴。因みに、引きこもってる人向けには、同じ作者の「草の竪琴」があります。
⑦「人間昆虫記」手塚治虫
「火の鳥」もいいんだけど、敢えてコレ。「ブラックジャック」で復活する以前の低迷期にあった手塚治虫が、なんでここまで虚無的なマンガを描けたのか、ほんとに謎。三島由紀夫の小説が難しい中学生はとりあえずコレを読め!かなり近い世界観だと思う。
⑧「一千一秒物語」 稲垣足穂
これから本格的にオタク道へ突き進もうとする人向け。尾崎翠の「第七官界彷徨」と並んで、夢見るオタク趣味全開小説ってところでしょう。宮沢賢治も悪くないけどさ。
⑨「さようならギャングたち」高橋源一郎
わたしが中学生のときに読んでガツンとやられた一冊。わかりやすいものより、理解を拒絶したものの方が、中学生にはグッと来るんですよ。でも、いま読みかえしたらどう思うかちょっと微妙かな~。
⑩「友よ、映画よ」山田宏一
「青春ってなんだ?」って聞かれたら(わたしにそんなこと聞く人も、まずいないな。)、迷わず「この本の小西康陽の解説だ!」って答えると思う。だから、解説だけでもいいから読むべし。そして、本文を読んだらシネフィル中学生がこの世にまた一人誕生することでしょう。
そんなわけで、とりあえず、10冊選んでみたけど、全然選び足りない感じだなあ…。女性作家も少ないし…。
でも、本気で自分の趣味を展開すると中学生向けではなくなるのでしょうがない。もっとも、この10冊読んでる中学生も、さすがに考えにくいってもんではあるかな?
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