切られお富!

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論点ズレ、読売の「ネット暴力」記事。

2009-02-09 19:30:00 | TVピープル
読んでて違うなあ~って思ったわたしは少数派?あまり今回の件に即していない論評だし、右寄り論壇のオヤジの説教風文章という印象。わたしは、この件の裁判は大変なことになると思います。推定無罪とか野暮なことはいいませんが、すぐ有罪になるのかどうかは疑問だなあ~。というわけで、雑感。

ネット暴力 「表現の自由」には責任が伴う(読売新聞) - goo ニュース

① そもそも、どういうことを書き込んだ結果、書類送検されたのかあまり報道されていないのが問題だと思いますね。

脅迫容疑1名、その他は名誉毀損ですか。

警察としては、有罪に出来る可能性の高い書き込みを吟味したはずですが、しかるべき警察発表がされたのかどうかさえわたしにはよくわからない。

記者クラブって何をやっているんですか?

② 「スマイリー・キクチが『コンクリート詰め殺人』に関わっていた」と信じるに足る情報がネットに流通していたとして、そのことを元に彼のブログへ批判コメントを書いたとしたら、これって有罪にできるんですか?

というか、仮にそのデマ情報が真実だったとしたら、批判コメントを書くこと自体、問題がないでしょう。(名誉毀損罪が「事実」の真偽を問題にしていないことは知っています。しかし、分別ある批判であれば犯罪になるのかどうか?)

ましてや、あの「コンクリ詰め殺人」関係者だとすれば、批判する側にわたしは共感しますけどね~。

つまり、わたしがいいたいのは、デマを払拭すべくタレント&タレント事務所が相応の努力をしたのかという点が結構問題になると思うのですが、いかがでしょう?

③ 読売記事で気になるのは、

>インターネット上で他人を中傷する行為は、「表現の自由」をはき違えた卑劣な犯罪だ。

>警視庁は、男性タレントのブログに事実無根の内容を書き込んだとして、17~45歳の18人を名誉棄損容疑で近く書類送検する。

というくだりの、「事実無根の内容」という部分。

容疑者が「事実無根の内容」と知りつつ書き込んだのか、「事実」と思い込んで書いたかで状況は違うという視点が、この読売の記事にはない。

「事実無根の内容と知りつつ行った行為」なら、、読売いうところの<「表現の自由」をはき違えた卑劣な犯罪>といえるかもしれないが、<事実無根の内容>であると知りうる手段がなかったとすればどうなるのか?

ぜひとも、読売記者の見解が知りたいですね。

④ この記事全般を読んでいて感じたのは、この筆者はあまりネットとは関係しない暮らしをしているんじゃないかってこと。

というのも「ネット」というキーワードで、まったくケースの違う事案を一緒くたに論じているでしょう。

前の記事で「炎上」と正当な批判コメントを一緒くたにするべきじゃないということを書いたけど、たぶん、この筆者はいわゆる「炎上」というものをよく知らないんじゃないですか?

「炎上」自体を目的としたものはわたしも「悪」だと思うけど、正当な批判の蓄積された状態を「炎上」と呼ぶには、わたしは抵抗を感じますね。

それに、「ネット中傷」の問題を論じる際、タレントのケースと中高生自殺のケースを同列に論じるのはかなり無理がありますよ。

タレントの方は純粋に風評被害といえますが、中高生の方は小さなサークル内の人間関係が原点で、処方箋だっておのずから変わってくるでしょう。

わかってるのかな~。わかってないだろうなあ~。たぶん、身につまされていないから。

⑤ 以下の言葉には強烈な違和感を持つのですが、いかがでしょうか?

>憲法で保障された「表現の自由」は、健全な社会を守るためにある。匿名に身を隠したネット上での言葉の暴力とは、無関係だ。

匿名記事主体の大新聞。おまけにこの記事も無署名記事ですが、わたしならこう言い換えますよ。

「憲法で保障された「表現の自由」は、匿名に身を隠した<紙の上>での言葉の暴力とは、無関係だ」

とにかく、こういう記事書いてるんなら、名前くらいは出しなさいよ。大新聞社の記者なんて守られているんだから!
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